レビュー
「人に気遣いをしよう」と言われると、「何だか疲れそうだな」とか、「損をしそうだ」なんて思っていないだろうか? 本書を読むと、そんな思い込みが一変するはずだ。
著者の藤本梨恵子氏によると、気遣いは必ずしも相手のためにするわけではない。
「なぜあの人ばかり、うまくいくのか?」と感じる人との差は、もしかしたら普段の行動に隠れた気遣いなのかもしれない。かといって、自然な気遣いというのもなかなか難しいものだ。下心を持って接すれば、むしろ相手から嫌がられてしまうだろう。喜んでもらえる気遣いとは、どんなものなのか。
本書で提案する「気遣い100の習慣」は、相手に積極的に働きかけるのではなく、自分の在り方を変えるというスタンスだ。言葉遣い、身だしなみ、相手の様子を察するなど、ちょっとしたポイントに気をつける。自分から働きかけることが苦手だという人でも、実行しやすいだろう。
「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」と嘆く人にとっては、本書で紹介している気遣いが、その謎を解き明かすヒントになるかもしれない。一緒にいて気分が良くなる人と、そうでない人。どちらの人と会いたいと思うかは明白だ。
本書の要点
・相手に対し、愛や気遣いを持つと、自分も相手から愛され、必要とされる。その愛や気遣いは、仕事、チャンス、お金、運を運び込み、人生を一変させる可能性を秘めている。
・本当の気遣いは、見返りを求めない。相手にも気づかれず、自分も傷つかない、粉雪のように消えてしまうものだ。
・気遣いはエネルギーである。自分がいいエネルギーを放つことで、それが相手に伝わり、いい気分を生み、そこからいい人間関係が生まれ、いい仕事を創造することにつながる。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。