レビュー

2022年8月、Midjourney(ミッドジャーニー)によって生成された絵が、米国コロラド州の美術品評会で最優秀賞を受賞した。Midjourneyはアメリカのスタートアップが開発した画像生成AIである。

受賞後に制作者が「これは画像生成AIで作った作品だ」と公表し、「これは芸術の死だ」と報道されるほどの騒動となった。
これからChatGPTなどの生成AIを使った作品やクリエイティブが一気に増えていくことは間違いない。アマゾンやメタなども生成AIのサービスや大規模言語モデルを続々と発表している。
「どうすればこの可能性あるツールを自分の仕事に活かせるか」。こうした発想を抱く人たちは、これまで自分一人でやっていた業務の一部を、優秀な助手である生成AIに任せ始めるようになる。もちろんこれはクリエイティブ職に限ったことではない。あらゆる職業に就いている人が「AIとどう共存していくか」を問われている。
本書は『アフターChatGPT』というタイトルにあるように、ChatGPT登場後のビジネスや仕事の進め方がどのように変わるかに焦点を当てている。あらゆる仕事のベースに生成AIが組み込まれていく世界の実像を、具体例とともに紹介していく。生成AIとの望ましいつき合い方の勘所を押さえるのにうってつけの一冊だ。生成AIとのコラボレーションの解像度を上げることで、もっと効率よく、生き生きと働くためのヒントを見出していただきたい。

本書の要点

・ChatGPTは人間が応答しているかのように自然な文章を生成する対話型AIだ。

マイクロソフトはChatGPTを開発したオープンAIに出資した。グーグルは自社開発した対話型AI「Bard」を公開し、競争が過熱している。
・グーグルの深層学習モデル「トランスフォーマー」発表をきっかけに、生成AIが飛躍的に進化した。
・人間が機長、生成AIが副操縦士というつき合い方が現状はよい。最終チェックは人間がすること、テクノロジーの差分を問う習慣を身につけることが大事になる。



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