レビュー
2022年4月の日本の消費者物価指数は前年同月比で2.1%の上昇となり、2023年1月には4.3%となった。日本経済は過去30年ほど続いたデフレ経済から脱出し、いよいよ本格的なインフレ時代を迎えようとしている。
著者のエミン・ユルマズ氏は、野村證券にて投資のスペシャリストとして従事し、現在は複眼経済塾という投資スクールの塾頭を務めている。著者は、日々相場と向き合うとき、地政学、民俗学、宗教学などの知識をもとに大局観をアップデートし続けているという。
本書には、教鞭を振るう立場ならではの深い知識が散りばめられている。読み進めるにつれ、経済指標ごとの意味や、その読み解き方の背景を理解することができるだろう。同時にデフレ脳から脱却し、インフレ脳で発想することの重要性にも気づかされる。
世界的な大インフレ時代を迎え、これからの投資の指針を探している方にとって、まずは手に取るべき一冊だ。
本書の要点
・日本は、量的金融緩和のつけ、新冷戦、日本の財政赤字などの要因から、本格的なインフレ時代を迎えつつある。
・現金の価値が相対的に上がっていたデフレ時代とは異なり、インフレ時代においては現金の価値は目減りしていく。よって資産運用が大事になる。
・米国を中心とした12個の経済指標を読み解けば、相場の大局観を掴むことができる。
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