レビュー
2024年2月、日経平均株価が史上最高値を更新した。今後も株価の上昇は続くのか。
一方で「投資は怖い」「リスクがあるからやりたくない」という人も少なくない。そういったイメージを持っている人たちにこそ、本書を読んでいただきたい。
著者は投資信託「ひふみ」シリーズの最高責任者で、ファンドマネージャーとして33年のキャリアを持つ藤野英人氏だ。著者は大胆にも「10年後には日経平均が10万円になる」と予測を立てる。荒唐無稽にも聞こえるが、本書を読むとそれは十分起こりうる未来だと納得できる。
その理由の1つが、日本がインフレ経済に突入したことだ。インフレ下では物価が上がり、株式や不動産も値上がりする。逆に現金の価値が下がるため、「資産は現預金だけ」という人は大きなダメージを受けるだろう。「投資は危険」という考えは、これからの時代はむしろリスクになるのである。
本書では、「日経平均10万円」時代に向けて今どう動くべきかを解説する。小手先のノウハウや商品紹介というより、「どんな観点で投資先を選ぶべきか」という本質的な部分にページを割く。
本書の要点
・堅調に推移する日本株市場の背景には、日本企業の本質的な変化がある。
・10年後は「日経平均株価10万円」も夢じゃない。ただしその実現には、インフレの進展、大企業の変化、新興企業の台頭が必要だ。
・投資のリターンはお金だけではない。真面目な会社に投資をすることで、世の中がよくなり「明るい未来」というリターンを受け取れる。
・生成AIの普及によって、個人投資家が短期投資で勝つことは難しくなる。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。