レビュー

読者のみなさまは、「インプットしたことを言語化する機会」がどれくらいあるだろうか。たとえば、「会議のポイントを議事録に書く」「映画の感想をSNSで発信する」。

現代は仕事でもプライベートでも、インプットしたことをまとめて言葉にする機会は実に多い。
これまで、「読む」「聞く」「まとめる」「言語化する」をそれぞれ単独のスキルとして捉えていた。しかし、実際には、1on1ひとつとっても、「聞く」だけでなく「聞いたことを整理する」「その内容をコメントする」というプロセスが必要となる。この一連の流れを意識してはじめて対話が深まっていくと気づいたのだ。究極的には、「読む」「聞く」「まとめる」「言語化する」をワンセットで磨くことで、どんな仕事もうまく進むのではないか。これが本書の趣旨である。
私はフライヤーの仕事に約10年間携わり、要約では「読む」、インタビューでは「聞く」というインプットを通じて、この一連のプロセスを試行錯誤してきた。どうしたら本や人の本質を掴み、読み手に的確に伝えられるのか? この問いのもとに身につけてきたスキルやトレーニング方法は、幅広く応用できるものではないか。今回本を書く機会をいただき、そのためのエッセンスを、心を込めて書き記した。
本を読む力、話を聞く力、情報を整理する力、言語化する力をどう高めるのか。そのヒントが少しでもお役に立てばとても嬉しく思う。もちろん、このメソッドは発展途上である。
みなさまの感想やアイディアをいただき、さらに磨きをかけていきたい。

本書の要点

・現代のあらゆる仕事は、「読む・聞く、まとめる、言葉にする」でできている。それぞれのプロセスのつながりを意識するからこそ、アウトプットの質が上がり、成果が出やすくなる。
・良い言語化は「インプットの質」で決まる。
・「まとめる・言葉にする」というプロセスをスムーズに進めるために、「インプットメモ」と「アウトプットメモ」を活用する。
・まとめる際は、「伝わる論理」を組み立てることが重要となる。



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