レビュー
世の中にはアイデアに関する多くの書籍が出ているが、本書は「哲学」を使ってビジネスのアイデアを生み出そうという、実にユニークな一冊だ。哲学というと、プラトンやアリストテレス、カントなど、学生時代に習った哲学者たちの名前が脳裏に浮かぶ。
そもそも、「アイデア」とは古代ギリシア語の「イデア」に端を発しているという。「ここにはない理想」を意味するその言葉は、いつしか人間が生きるうえで必要不可欠な人間の営みとなった。私たちの身の回りのあらゆるモノやサービス、そしていまをときめく生成AIも、すべて人間のアイデアから生まれた産物だ。物事を多角的に捉えて本質を探り、新たな意味を見出す学問である「哲学」は、まさにアイデアを生み出す格好のツールなのである。
本書では古今の哲学者の思想を紐解きながら、それをビジネスのアイデアに活かす方法が説かれている。要約ではそのケースワークとして、カントの「コペルニクス的転回」を使って「納豆の新たなビジネスチャンス」を考える。さて、哲学思考で見出す「納豆のまだ見ぬ可能性」とはいかなるものか。ぜひ本文をご確認いただきたい。
「アイデア出し」に悩んだときはウェブ検索やAIに聞くのもいいが、「本当に新しくてオリジナルな発想法」は過去の叡知から学べる。「温故知新とはまさにこのこと」と、膝を打つこと請け合いだ。
本書の要点
・常識を超えてどこまでも意外な発想を可能にする「哲学」は、アイデアを無限大にする営みだ。
・哲学の概念を応用することで、着眼点を磨くことができる。
・当たり前を疑い、すべての物事に対して素直な気持ちで受け止めること。そして対象を様々な角度から捉えることが、アイデアを生み出す力につながる。
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