レビュー
休日に家でのんびりしたのに、仕事の疲れが取れない――。このように感じている人は多いだろう。
本書は、文筆家やタレントとしても広く活躍する脳科学者の著者が、脳の疲れを解消する方法を科学的な視点で解説した一冊である。身体を休める重要性は誰もが知るところであり、多くの人は、身体を休めさえすれば私たちは元気になると考えている。しかし、疲れを完全にリセットするためには脳を休ませなければならず、そのためには別のアプローチが必要だと著者は語る。
スマホを例にとってみよう。現代の私たちの脳が疲れやすい原因の一つはスマホやタブレットにあるため、それらの電子機器を見ずにボーッとする時間こそが脳を休めることにつながる、と著者は指摘している。要約者は早速このアドバイスを実行し、昼休みにスマホを触る習慣を改めてボーッと過ごすようにしてみた。すると、確かに午後の疲労感が少なくなったのだ。著者が説くように、何もせずにボーッと過ごすひとときは時間の無駄などではなく、脳を休めるために必要不可欠な時間なのである。
本書には、脳が疲れるメカニズムや、脳の疲れを取る方法が数多く紹介されている。このところ疲れて仕事のパフォーマンスが悪いという人は、ぜひ本書のメソッドを実践してほしい。脳を休ませることで得られる効果を、身をもって実感するはずだ。
本書の要点
・どんなに身体を休めても、脳がしっかり休まっていないと身体全体や仕事のパフォーマンスに悪影響が生じる。
・ひらめきを生むには「ぼんやりと過ごす」ことが重要だ。ボーッとすることで脳が休まり、蓄積された記憶や情報が整理される。
・脳を休めるためには、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」機能を働かせる必要がある。そのためには質の高い睡眠が欠かせない。
・脳を休ませる方法には、スマホを見ない時間を作る、退勤したら着替える、一人の時間をつくる、などがある。
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