レビュー

仕事のやる気が起きない、どうしても早起きできない、やってもやっても仕事が終わらない、いいアイデアが浮かばない。これらはビジネスパーソンの多くが抱える悩みだろう。

本書を読めば、これらの悩みを解決するヒントが得られるはずだ。
本書の著者は『アウトプット大全』や『神・時間術』、『精神科医が教える 幸せの授業』などといったベストセラーで知られる精神科医、樺沢紫苑氏だ。次々にヒット作を上梓する樺沢氏の今作のテーマは「脳内物質」。脳内物質をうまく分泌させ、仕事の精度と速度を上げる科学的な方法を教えてくれる。
私たちの脳内には100種類以上の脳内物質が存在しているそうだ。本書ではそのうち、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、メラトニン、アセチルコリン、エンドルフィンの7つを取り上げている。樺沢氏によると、これら7つの脳内物質は「あなたのモチベーションや働き方を変え、あなたの人生まで変えてくれる奇跡の物質」であるという。
たとえば「仕事のやる気が起きない」という悩みを手っ取り早く解決したいなら、運動によってドーパミンを分泌させるのが効果的だそうだ。そう言われると、昼休み、最寄りのコンビニではなく少し遠いカフェでコーヒーを調達しようかという気持ちになってくる。
本書ではこのように、樺沢氏の他の著作と同様、科学的な裏づけのあるノウハウがわかりやすく紹介される。どれも「ちょっと試してみよう」と思える、楽しそうなものばかりだ。科学的に効果のある仕事術を取り入れ、仕事をサクサク進めたい人にぴったりだ。

本書の要点

・ドーパミンは、目標を達成したときだけでなく、目標を設定したときにも分泌される。短期間で実現可能な目標を立てて、一つひとつクリアしていくのがおすすめだ。
・朝起きてからの2~3時間は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯であり、仕事の効率が3倍ほどにもなる。この時間帯を有効活用したいなら、セロトニンを活性化させるとよい。
・アイデア力を高めるには、好奇心を刺激して、シータ波を出すのが効果的だ。ランチでは、積極的に新しい店を開拓し、好奇心を刺激しよう。



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