レビュー

「日本人は学校で10年英語を勉強しても話せるようにならない」といわれることがある。日本で生まれ育った多くの人は、英語に苦手意識を持っている。

英語の勉強でも苦労しているのに、他の外国語なんてとても手が回らないという人も少なくないだろう。
本書の著者であり、人気インフルエンサーであるKazu Languages氏は、日本で生まれ育ちながら、およそ5年間で12ヵ国語を習得した多言語話者だ。最初に習得したスペイン語こそ現地留学で身につけたものの、あとはほとんど独学で習得したのだという。これを聞くと、よほど語学の才能に秀でた人なのだろうと思ってしまうが、著者によれば多言語話者になれたのは特別な才能のおかげではない。著者自身、学校で英語を習っていたときには、英語に苦手意識を持っていて、けっして外国語が得意だというわけではなかったというのだ。
著者がここまで多くの言語を習得できたのは、試行錯誤して語学学習を続けるなかで、「このポイントさえおさえれば効率的に身につけられる」という学習法自体を身につけられたからだ。学校の教科書や教材通りに学ぶのとは一味違うアプローチが、本書では詳細に解説されている。今まさに言語を学習中の人にはすぐに役立つ一冊であることはもちろん、一度あきらめてしまった人にも発見が多い一冊であるはずだ。本書を読み通せば、複数言語の学習を始めたくなってしまうかもしれない。

本書の要点

・本書が紹介するのは、約5年間で12カ国語を習得した著者が試行錯誤し編み出した、最速で外国語を「不自由なく使えるレベル」まで高める最強の学習法だ。
・本書の言語学習のメソッドは、①「ネイティブの発音を真似る」、②「実践的な文法を学ぶ」の2ステップだ。最初から文法を学ぶのではなく、まずはすぐに使えるフレーズを蓄積するのがポイントだ。


・1言語めを習得するのは大変だが、2言語、3言語と増やしていくのはそれほど難しくない。とくに、同じ「祖先」を持つ言語グループに所属している言語は似ているので習得しやすい。



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