レビュー

ChatGPTが登場して数年が経つが、本当の意味で活用できている人は決して多くないだろう。刻一刻と変化するこの時代を航海するために最も有益なツールの一つであることに、大半の人々はまだ気づいていないように思う。

だが本書を読めば、きっと考えが変わるはずだ。
本書の著者は、『1分で話せ』の伊藤羊一氏と『プロセスエコノミー』の尾原和啓氏だ。伊藤氏はLINEヤフーアカデミア学長として次世代リーダー開発に携わり、尾原氏は事業立ち上げ・投資が専門である。2人の共通点は「これからのリーダーに必要なものは何か」という視点を持ちつつ、常に新しいことにチャレンジしているという点だ。
本書ではそんな2人が、アフターGPTの“正しい努力”の仕方を教えてくれる。ChatGPTを用いて壁打ちしたり、「頭の良さ」「経験」「センス」をコピーしたりできる今、“正しい努力”のあり方は大きく変わったようだ。大量のトレーニングをして思考力を身につけたり、がむしゃらに経験を積んでセンスを磨いたりするのは、もはや“正しい努力”とは言えない。
ChatGPTを使いこなせれば、誰もがラクに楽しく成長し、多くのチャンスを得られる――。このような「努力革命」が起こっていることを、本書を読めば理解できるだろう。自分には使いこなせそうにないからといってChatGPTを遠ざけている人、使ってみたけれど期待外れだったという人、成長のスピードを速めたい人をはじめ、今を生きるビジネスパーソン全員におすすめする一冊である。

本書の要点

・ChatGPTは格好の壁打ち相手になってくれる。コツは「ざっくり→じっくり」の順で質問を繰り返すことだ。


・ChatGPTを使えば、頭の良い人の思考回路を簡単にコピーできる。「ファクト→抽象化→転用」によって企画のアイデア出しをするのも、ChatGPTを使えば簡単だ。
・ChatGPTは、論理的思考や合理性の積み重ねは得意だが、それを超えた非合理的な決断をする「飛ぶ力」は備えていない。これからの時代は、「飛ぶ力」を用いた意思決定こそが人間の役割となる。



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