レビュー

問いの質が人生の質を決める。コーチングの世界で著名なアンソニー・ロビンズが残した言葉といわれている。

この言葉にこそ著者の思いが集約されているのではなかろうか。
では、良質な人生に向けて、筋の良い問いを立てるためにはどうすればよいか。要約者は、本書で紹介されている2つの方法に特に魅力を感じた。ビジネスシーンで役立つような実践的な問いと、自分と向き合うための哲学的な問いである。
前者ではさまざまなフレームワークを用いる。適切な順番で考えることや、広げる・深めるなどの切り口で深掘りすることなどである。「問い」の形で相手と接しながら回答の精度を高め、クリティカルな解決策を導ける。自分ひとりで机上でただ考えるだけではなく、周囲とコラボレーションしながら臨機応変に物事を進めるイメージにつながった。
後者については、そもそもAIが答えを出せないタイプのものである。「自分は何がしたいのか」といった問いは、自分自身が決めなくてはならないからである。こうした哲学的な問いは、AI登場後の変化が激しい時代だからこそ向き合うべき問いといえよう。本書では、さまざまな視点から自分自身に問うべき質問が掲載されている。
ページをめくるうちに、人生を変える問いに出合えるかもしれない。
問いのあり方自体を変えようとしている生成AIが身近である人はもとより、仕事のキャリア展望、人生設計に悩むすべての人にすすめたい。

本書の要点

・生成AI登場後の時代を生き抜くためのスキルの1つに、問いの設定力がある。
・問いには、生成AIが「答えやすい問い」と「答えにくい問い」がある。
・質の良い問いの設定は、「自分らしさ」がベースとなる。過去、現在、未来の視点から自分自身と向き合うことで、「自分らしさ」を再発見できる。



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