レビュー

グロービスは「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会の創造と変革を行う。」をビジョンに掲げ、複数のサービスを展開している企業である。
具体的には、会社や組織がより良い経営を行うためのナレッジの発信や、実践的な教育プログラムの提供などである。

読者の中には、「グロービス経営大学院」やオンライン学習サービス「GLOBIS 学び放題」などでその名を知る人もいるだろう。
同社のサービスを貫くキーワードは「経営」である。経営には、経営戦略、マーケティング、人材育成・管理、リーダーシップなど、様々な要素が絡んでくる。こうしたトピックを発信する中で、クライアントなどから「そもそもグロービスではどのような経営をしているのか」といった質問をよく受けるようになったことが、本書の執筆につながった。本書では、経営手法、組織設計、採用、人材育成、人事評価、報酬体系、組織文化の醸成まで、グロービスの経営システムがつまびらかにされている。
グロービスのすごいところは、創業以来30年間ほぼ右肩上がりに成長を続けていることだ。さらに「働きがいのある会社(日本版)」に10年連続選出されている。優れた業績と働きがい。この2つを両立するにはどうしたらいいのか。
グロービスのやり方は多くの企業に示唆を与えてくれるはずだ。経営者や管理職はもちろん、すべての企業人にお読みいただきたい。

本書の要点

・グロービスの経営は“複雑系”だ。

様々な人たちが相互に関わり合い、1つの組織を形づくる考え方を複雑系という。複雑系の組織形成は、フラットな組織体制と自律型人材がポイントとなる。
・グロービスはどんな環境にも適応できるよう、「スピード」と「柔軟性」を意識した組織設計をしている。
・これからの人材育成には、実務と切り離したOff―JTを積極的に取り入れ、そのための予算を増やすべきだ。
・グロービスの報酬体系は、ジョブ型の職務給でも日本型の年功給でもなく、「成果主義」「能力主義」「今後の期待」に基づいている。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ