レビュー
「企業変革」という言葉を聞いて、思い浮かべるものは何だろうか。ある種のドラマのような、劇的で急激な変化を想像する人もいるかもしれない。
組織の生態はとかく複雑だ。急激な社会変化のもと、いま何が起きているのか、何が問題なのかがわからなくなる。だから前に進めなくなり、自分たちで変化することを諦めてしまう。しかし、絡まった糸を丁寧に解きほぐしていけば、きっと進むべき道は見えてくる。著者は、企業変革が直面する問題のメカニズムの本質に迫り、行き詰まりを打開する道筋を示していく。
対話とは、「1on1を設定する」といったものではない。著者は真の対話に必要なものをこう述べている。
本書の要点
・長期的な企業変革に向けては、(1)全社戦略を考えられるようになる、(2)全社戦略へのコンセンサスを形成する、(3)部門内での変革を推進する、(4)全社戦略・変革施策をアップデートする、という4つのプロセスを実践していくべきだ。
・組織は一度環境に適応すると、効率化のために分業化と仕事のルーティン化を進めるため、構造的に無能化するものである。
・組織としての能力が低下したとき、乗り越えるべき壁は「多義性」「複雑性」「自発性」の3つだ。3つの壁を解きほぐす糸口になるのが対話である。
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