レビュー
面白いことが起きない、いつも時間が足りない、部下が思い通りに動いてくれない――。毎日の生活の中でこのような不満や不安を抱く私たちに向けて、著者のひすいこたろう氏は「解釈ひとつで、この世界はいくらでも素晴らしい場所になります。
そのうちの一つが、「人生の宝物はドン底に落ちている」と考えるというものだ。映画や小説の主人公は作品の中で必ずドン底を経験し、そこで人生を変える出会いや気づきを得る。自分もドン底で宝物を見つけられるかもしれないと考えてみると、気持ちがラクになり、ドン底気分から抜け出せるだろう。また、「ドン底」を「ズンドコ」に言い換えてみると不思議と楽しい気分になるとも書かれており、つい試してみたくなる。
本書の最大の魅力は、著者のユーモアあふれる文章だろう。疲れているときでも、友だちのおしゃべりを聞くような感覚で読んでいけるはずだ。実際、著者は「いつも、ふだん本を読まない人にも、わかりやすく楽しく伝える方法を模索しています」と書いている。そしてその理由は、著者の配偶者がまったく本を読まない人だからだそうだ。身近な人との価値観の違いをプラスに変えたこのエピソードに、多くの人がドキッとするだろう。
『あなた次第でこの世界は素晴らしい場所になる』――幸福感あふれるこのタイトルに誘われるままにページをめくろう。きっと、あなたの毎日を変えるヒントが得られるはずだ。
本書の要点
・人生が面白くないのは、あなたの「視点」が面白くないからだ。
・人は、自分に感謝してくれている人のためなら、なんとかして力になってあげたいと思うものだ。「部下が思い通りに動いてくれない」と嘆くのをやめて、まずは部下に感謝しよう。
・自分はパズルのピースだと思おう。苦手なことがあるなら、それをフォローしてくれる人を探せばいい。凸が活躍できるのは、あなたが凹んでいるおかげだ。
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