レビュー

自分の時間をうまく使えていない、仕事の効率が悪い、資格試験の勉強が進まない、人づきあいが苦手、納得のいく人生設計と資産形成計画ができていない……これらはそれぞれ独立した悩みに見えるが、本書によると実はすべて「滞り」が原因だという。
本書の著者、鈴木邦成氏は物流エコノミストとして、大学で研究室を持ったり、物流関連企業と共同研究したりしている、「物流・ロジスティクス」領域のプロフェッショナルだ。

鈴木氏は学生やビジネスパーソンと交流する中で「物流の視点からのアドバイスは、人の悩みの滞りをなくす共通点が多い」「学生・社会人問わず、悩みのほとんどは『滞りをなくす』という視点から物流のセオリーを当てはめていくと、解決できる」と気づいたのだという。本書ではその気づきのもと、時間・仕事・勉強・人づきあい・人生設計とお金の「滞り」をなくすためのアドバイスが詰め込まれている。
どれも目からウロコの指摘・アドバイスばかりだが、特に多くの人を驚かせるのは「『早起きは三文の徳』はウソだから早朝に期待するな」だろう。起床後すぐは集中しづらいものだし、特定の時間帯に期待しすぎると、うまくいかなかったときの挫折感が大きくなるからだそうだ。要約者自身、ドキリとさせられる指摘だった。
努力しているのにうまくいかないのは、もしかすると「滞り」のせいかもしれない。本書を読んで、「滞り」の解消に目を向けてみてはどうだろう。

本書の要点

・勉強や仕事を効率的に進めるには、時間のメリハリが重要だ。適切に休憩をとり、集中力の滞りを解消しよう。
・滞りを解消するという観点から考えると、現状や進捗を報告する定例会議は、月曜日の午前中に入れるべきではない。最適なタイミングは金曜日の夕方だ。
・誰かから相談を持ちかけられたら、可能な限り力になってあげよう。

相手の困りごとを解決することが、自分の「滞り」の解消にもつながる。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ