レビュー
あなたの優しさが会話を止めてしまう。人は相手の気持ちを優先しすぎると、会話が続かなくなりがちだ。
本書の著者は明治大学文学部で教鞭を執り、いくつものベストセラーを手掛けてテレビ出演も多数こなしてきた齋藤孝教授だ。そんな著者が、経験と学の両方を活かして上手なコミュニケーションの取り方を教えてくれる。
コミュニケーションは性格に依存するものだと思われがちだ。しかし、これはとても酷な話だ。なぜなら個人の特性である性格は、そう簡単に変えられるものではないからだ。
しかし、本書はコミュニケーションに性格は関係ない、と断言する。要するに、スキルや発想の転換で、コミュニケーションがうまくなる可能性があるのだ。それも難しいものではない。本書に書かれている技術は明日からでも実践できるものばかりだ。そして、これほど読みやすいのに情報量はとても多い。やったらダメなこと、努力の仕方、ビジネスでの活用の仕方など、平易な言葉でコミュニケーションのすべてが網羅されている。コミュニケーションに苦手意識のある人、コミュニケーション力をもう1ランク高めたい人に、読んでほしい一冊だ。
本書の要点
・会話の得意不得意に性格は関係ない。コミュニケーションに疲れないために必要なこと。それは、人格で会話しないことだ。そのためには、相手と自分の間に話題を置くのが大切だ。
・話のネタは面白くなくていい。いくつか話題を用意し、相手の様子を見ながら寿司ネタのように話題を出していくようにする。そうすると一つくらいはいい反応が返ってくる。
・コミュニケーションの肝はリアクションだ。面白い話をしなくても、相手の話に適切なリアクションをすることで相手はいい印象を持つだろう。
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