レビュー
「ネガティブな感情」はなくした方がいいか――本書の答えはNoである。
ネガティブな感情も、自分の中に自然に湧き上がってくる重要な感情だ。
とはいえ、現代は過剰なほどにネガティブな感情が湧き起こりやすい環境である。変化の激しい世の中の情勢、働き方の多様化によるキャリア決定の重要性、他人との比較が止められないSNS――ネガティブな感情にふりまわされて、悩みを抱えている人は少なくないはずだ。
そんなネガティブ感情にとらわれてしまった人に、本書はやさしく寄り添ってくれる。著者は、企業内カウンセリングを含め、2万人以上のカウンセリングを行ってきたカウンセラーだ。官公庁・企業・大学にて講演・研修を6万人以上、メディア出演も多数と、人間関係改善のプロフェッショナルである著者が、本書では83のシーンを題材に、ネガティブ感情との付き合い方をレクチャーしてくれる。
「これは自分のことかもしれない」「こういうときはこうすれば良いのか!」と、読みながらたくさんの“気づき”が得られるに違いない。ネガティブに考えすぎてしまう人、ネガティブな感情に否定的なイメージを持っている人、自分はネガティブ思考にならないと思っている人、さまざまな人におすすめしたい一冊だ。
本書の要点
・ネガティブ感情そのものは悪いものではない。自分の感情を受け止め、ネガティブ感情の「置き場所」を変えよう。
・すべてを「0か100か」で考えていると、100点をとれない自分に0点を与えたくなってしまう。
・相手の誘いを断れないのは、「相手に合わせないと嫌われてしまう」という自衛の気持ちがあるせいかもしれない。自分の気持ちを口に出す練習をして、「話しにくい人」に「言いにくいこと」を言えることを目指そう。
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