レビュー
女性リーダーを増やそうという機運が高い今、リーダーや管理職になる女性は増えている。しかし、リーダーになるにあたって、人を管理したりこれまでより責任が重くなったりすることに対して、ためらう人もいるだろう。
本書の著者は、男性が多い工場という職場で、初の女性管理職になった経験を持つ。管理職を打診された当初は「なぜ自分が」と戸惑い、「自分にはできない」とまったく自信がなかったという。
だが、リーダーとして仕事に携わる機会は、すべての人が得られるわけではない。著者は自分が選ばれた理由を前向きに受けとめ、自分ができることに向き合っていった結果、メンバーを助け、問題解決の手腕をいかんなく発揮できるリーダー職を楽しめるようになったという。
本書は、昇進の喜びよりも不安や戸惑いの大きい、新人女性リーダーに向けて書かれた一冊だ。「なりたい」と思っていなくても、ぐいぐい引っ張る性格でなくても、人を巻き込むのが苦手でも、リーダーに向いていないことはない。著者は自身の経験や失敗談を交えながら、優しく「あなたらしいリーダーになればいい」と、背中を押してくれる。
本書は、これから自分のキャリアを考えようとしている人にもすすめたい。リーダーって忙しそう、自分にできるか不安……という人は、一読してみてはいかがだろうか。読後、「リーダーも悪くないな」という気持ちになれることだろう。
本書の要点
・「どんなリーダーになりたいか」ではなく、「チームのために、自分は何ができるのか」を考えることが重要だ。
・リーダーはまず、チームメンバーの考えを知ることが大切だ。チームのビジョンも業務改善も、メンバー一人ひとりと話すことから始めよう。
・仕事を任せるのが苦手な人は「頼る経験」を積んでいこう。メンバーの「得意」を知り、小さな頼る経験を重ねていけば、そのうち自然に任せられるようになるだろう。
・仕事を任せることは、相手に「成長の機会」を与えることである。
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