レビュー

人間関係は多くの人にとって悩みの種だ。仕事そのものは楽しいのに、同僚との関係がうまくいっていないために通勤の足が重い。

やっかいな人にばかり好かれてしまう。そうした状況を経験した人も多いだろう。
人は生きていると多くの困難にぶつかる。人間関係もそうだし、病気だってそうだ。困難に直面し、つい心が折れてしまいそうになる。このとき、人は「どろどろトライアングル」という心理状況に陥っている。そう指摘するのが認定ポジティブ心理学を修めた著者である。
著者はカウンセリングと心理学の講義を長年行ってきた実績と、がんを乗り越えた自身の経験を踏まえた上で、人間関係の問題に対処するメソッドを独自性あふれるキーワードとともに説明してくれる。タイトルにある「逆転の法則」という言葉の通り、考え方や価値観を変えることで、それまで辛かった現実が自分の理想を実現させる大きな一歩へと転換していく。それが本書でいう、「どろどろトライアングル」が「しあわせトライアングル」に変わる瞬間だ。その手法はまさに鮮やかである。
関係性に対する自らの捉え方を変えていくことで、人間関係の変化の兆しを得られると気づけるだろう。
人間関係に悩んでいる人は、本書からさらなる成長へのヒントを得ていただきたい。

本書の要点

・人間関係は人間の悩みのなかで大部分を占める。悪い人間関係を「どろどろトライアングル」と呼ぶ。これは《犠牲者》《迫害者》《救済者》の三者によって成り立っている。
・「どろどろトライアングル」は発想の転換で「しあわせトライアングル」にすることができる。《犠牲者》だった人は、幸せを自らつかみ取る《クリエイター》になる。すると《迫害者》は《チャレンジャー》に、《救済者》は《コーチ》になり、お互いを成長させる関係へと発展していく。



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