レビュー
デジタル技術の進化が加速する中、時代は「リスキリング」を求めている。リスキリングとは、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」を意味する。
本書がめざすのは、「これからも必要とされる働き方を手に入れる」ことだ。そしてその一番の解決策がリスキリングであるという。定年の概念や雇用環境の変化を概観したうえで、リスキリングの具体的な進め方、AI時代に必要なスキルを解説している。リスキリングで注目の分野や、新たな成長領域の仕事に就くためのステップなど、実践的な内容ばかりだ。
著者の後藤宗明さんは、自身がリスキリングの体現者でもある。40代の頃に転職で苦しみながらもリスキリングした結果、デジタル分野でチャンスをつかんだという。そして現在は日本でのリスキリング浸透に力を注いでいる。そんな著者のアドバイスは実に説得力がある。
将来の選択肢を増やし、しなやかに働き続けるために、どんなアクションをとるとよいのか? 本書は、自身のスキルをアップデートし続けたい方々を勇気づけてくれるにちがいない。
本書の要点
・これからは定年4.0時代を迎える。定年4.0とは「リスキリングで現在の雇用に頼らない人生とキャリアを自ら創造するシニア像」と定義される。
・中高年の方々は労働寿命と雇用寿命を延ばすことが求められる。ポイントは、マインドセット、スキルセット、ツールセットという3つの「セット」を整えることである。
・AI時代には「学際的スキル」がますます重要となる。
・意識的に自己投資をするとよいのは「スキルと学び」「健康」「お金」「人間関係」「仕事」の5つである。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。