レビュー

「言葉が詰まってしまって、うまく話せない」「企画書を書こうとしても、それっぽい言葉を並べて終わってしまう」。このような状況に、身に覚えのある人は多いだろう。


少し検索すれば膨大な情報にアクセスでき、生成AIのようなツールが登場している今、「自分の言葉」で語ることの重要性は高まる一方だ。こんな時代だからこそ、借り物の言葉ではなく、「自分の考え」や「自分の思い」にじっくり向き合うことが求められている。
本書は「伝え方」だけを指南するものではない。まずは自分の中にある思いを言葉にする作業が不可欠だという。そして、「伝えたい」思いを自分の中に見つけて考えを形づくるパートと、それを相手に伝わる言葉に変換するパートの2つで構成されている。それぞれにワークがあり、言語化トレーニングを安心して実践できるようになっている。
言語化する力を身につけることの効用は、話すのが上手になる、読みやすい文章が書けるようになる、というだけに留まらない。「自分が何者か。それは自分の言葉で決めることができる」と著者はいう。「言葉にする」力は、自分自身と向き合う力や、相手の心の奥を見つめる力、ひいては自分の未来を切り拓く力ももたらしてくれるのだ。読めば必ず「言葉にする」を磨くための気づきが得られるはずだ。

本書の要点

・言葉にして「伝える」ためには、「自分の思い」がなければならない。

まずは自分の中に「自分の言葉」を持つことが大切だ。
・話がまとまらない人は、まとめようとしすぎる傾向にある。大事なのは、相手が必要としている情報を、適切な順番で提示することだ。
・言葉にする習慣は、自分と相手の言葉にならない思いに目を向けることだ。言葉にする習慣が身につくと、心の奥深くで人とつながる関係性を築けるようになる。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ