レビュー
チームづくりの名著といえば、『THE CULTURE CODE最強チームをつくる方法』は外せないだろう。成功しているチームの共通スキルを「安全な環境をつくる」「弱さを見せる」「共通の目標を持つ」の3つと定義し、Googleやピクサーなどの事例を挙げながら、それぞれのスキルの働きを解説する一冊だ。
本書はその「実践編」として刊行されたもので、先述した3つのスキルを実践するための60種類の「行動」が紹介されている。著者は本書のことを「実地で効果が証明された行動を集めたカタログだ」と表現している。
60種類の「行動」のうち、「もしこの本から1つのTIPだけを学ぶとしたら、ぜひこのTIPにしてもらいたい」と書かれているのは、弱さを共有して信頼関係を築くツールである「AAR」だ。これは、チームで重要なタスクを終えたら「何がうまくいった?」「何がうまくいかなかった?」「次は何を変える?」の3つについて話し合い、学びをためていくという「行動」である。その効果のほどはきっと誰でも想像できるだろうが、習慣的に実践しているチームは決して多くないはずだ。
実践的な「行動」のアイデアが満載の本書は、ぱらぱらとページをめくるだけでも、たくさんの学びがある。リーダーを務める人はもちろん、チームづくりに関心のある人には必ず熟読してもらいたい。チーム力アップのヒントが得られること間違いなしだ。
本書の要点
・安全な環境をつくる行動の1つは、「私のトリセツ」を作成・開示し、メンバー同士がお互いの長所や性格、習慣などを知ることだ。「私のトリセツ」の内容は、自分の価値観、コミュニケーション法の好み、やると元気が出る活動・消耗する活動などだ。
・弱さを共有する行動の1つは「アフター・アクション・レビュー(AAR)」だ。チームで重要なタスクを終えたらすぐに全員で集まり、「何がうまくいった?」「何がうまくいかなかった?」「次は何を変える?」の3つの質問について話し合って、学びを重ねる。
・チームで共通の目標を持つ行動の1つは、この組織で成功するために必要な資質をメンバーたちと議論し、わかりやすくまとめた資料をつくることだ。
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