レビュー
「ChatGPT? 試しに使ったことはあるけど、期待したような答えが返ってこないんだよね」。そのような人に、本書をおすすめしたい。
要約者も誤解していたが、期待通りの回答を引き出すにはそれなりのテクニックが必要だ。単に「〇〇について教えて」や「魅力的なキャンペーンを考えて」といった大雑把なプロンプトでは、方向性を絞ることができず、それなりの回答しか出てこない。
本書の言い回しを引用すると、ChatGPTは「非常に優秀だけど、融通の利かない新入社員」のようなものだそうだ。前提条件、制約条件、回答の方向性などを明確に指示しなければ、質問者の意図を汲み取ってはくれない。では、どのようなプロンプトを入力すればいいのだろうか?
そんな、読者の痒いところに手が届く情報を提供してくれるのが、本書である。著者・深津貴之氏が考案した「深津式プロンプト」は、ChatGPTの特性をよく理解した上で作られたプロンプトだ。このテクニックを使うことで、ChatGPTはより精度の高い回答をし、期待した以上の働きをしてくれるだろう。さらに使いこなせるようになれば、アイデア出しや情報整理、レポート作成、問題解決など、多くのビジネスシーンで活用できるに違いない。
要約では、「深津式プロンプト」のフォーマットと、その応用テクニックを中心に取り上げる。何事も基本が肝要だ。まずは基本をマスターしてから応用の範囲を広げていけば、「ChatGPTを使いこなせた!」という手ごたえを感じることができるだろう。
本書の要点
・ChatGPTは「手前の文章に続く文章を確率的に予測する機械」である。
・「深津式プロンプト」は、「ロール」「コンテキスト(文脈)」「制約条件」「出力フォーマット」「プロセス」の5つの要素で構成される。このフォーマットに則ったプロンプトを作成すれば、ChatGPTからより精度の高い答えを引き出すことができる。
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