レビュー

多様な種類のペットの中でも、「ねこ」は独特の存在感によって、多くの人を惹きつける不思議な魅力を持っている。ねこ好きのねこに対する眼差しは、いぬ好きのそれとは異質な気さえする。


なぜねこでなければならないのか。その理由が、本書では丁寧に解き明かされている。「ねこが好き」「ねこは素晴らしい」といった主観的な評価ではなく、「ねこと人が共に求めあう理由」や「ねこが人間の社会生活にもたらす影響」を掘り下げているのが本書の興味深い点だ。
著者は保護ねこ8匹と暮らす商業出版コンサルタントの樺木宏氏、監修を務めるのはその妻であるねこ生活アドバイザーのかばきみなこ氏だ。大のねこ好きで、ねこの保護活動にも携わっている両氏は、ねこと人との関係に対する深い洞察を持っている。独自の観察眼をビジネスや心理学の広範な知識と組み合わせ、ねこと暮らすことのメリットを客観的かつ説得力をもって解説している。「一流の人はなぜねこと暮らすのか?」など、ビジネスに役立つ示唆も多く含まれており、人間とねことの関係に新たな視点を与えてくれる一冊だ。
著者のねこ愛を随所から感じられる本書には、かわいらしいねこの写真が散りばめられている。目に入るだけでふっと笑顔になってしまい、これだけでねこの癒し効果を体感できてしまう。ねこ好きだけでなく、「なぜねこがこんなにも人の心を掴むのか?」と不思議に思った方にも、まずは気軽な気持ちで本書を手に取ってもらいたい。

本書の要点

・「ねこと暮らすことによりあなたの潜在的な能力が引き出され、精神面でも成長する」ことを本書では「ねこ啓発」と名づける。
・ねこをなでると癒されると感じるのは、気のせいではない。

ねことのスキンシップで「愛情ホルモン」オキシトシンが分泌され、心が落ち着き満たされる効果があるのだ。
・要求の多いねこと暮らしていると、与えるのが当たり前という感覚に変わる。「与える人」としての面が増えていくことで、「受け取る」ことも増えていく。



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