レビュー

「モチベーションが上がる仕事を望む」「配属ガチャに外れたので転職を考え中」「上司からのフィードバックに必要以上に落ち込んでいる」。こんな状況の若手社員にどう対応すればいいのか悩む読者もいるだろう。

なぜ、Z世代のマネジメントはかくも難しくなったのか? そんな課題意識を持つマネジメント層にぜひおすすめしたい本が登場した。
本書の著者は、リンクアンドモチベーションが蓄積してきた延べ45万人のデータから「Z世代の若手社員にありがちな傾向」をあぶり出す。ビジネススキルとモチベーションタイプの両面から、彼らの得意・苦手分野、深層心理に迫り、わかりやすく解説していく。もちろん、画一的に「Z世代はこう」と決めつけはしない。むしろ、人間の多様性や複雑性を受け入れ、若手社員の内面に寄り添おう、という思いが一貫して伝わってくる。
本書の魅力は、Z世代の特性を提示したうえで、会社と彼らにとってよいマネジメントを応用性の高い方法論に落としこんでいる点だ。Z世代の早期離職を防ぎ、定着してもらうために、マネジメント層や人事はどんなことを意識・実践するとよいのか。キーワードの1つは、「We感覚」を育てるオンボーディングである。その詳細については、まず要約を読んでいただきたい。
マネジメント力を磨き、個人と組織の建設的な関係性を築きたい――。本書は、そんな願いを抱く読者の背中を押してくれるだろう。

本書の要点

・一人の人間には個人人格と組織人格が同時に存在する。

両者を適切にチューニングすることが重要である。若手社員はこのチューニングに不慣れなため、早期離職に至っている。
・Z世代のスタンスを強化するためのキーワードは、「Say」「Target」「Action」「Role play」である。これを「STARの観点」と呼ぶ。
・若手社員の早期離職を防ぎ、定着を図るためには、オンボーディングで「We感覚」を育むことが重要となる。



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