レビュー

「薄利多売をめざそう」――そう考えてビジネスを立ち上げる人は、ほとんどいないだろう。誰だって、あまり儲からないものより、たくさん利益が出るものを売りたいはずだ。


それなのに、なぜ多くのビジネスは薄利多売型になっているのか。薄利多売ではなく厚利少売を実現するにはどうすればいいのか。それらの問いに答えをくれるのが、本書である。
著者の菅原健一氏は、ベストセラー『小さく分けて考える』でも知られる経営アドバイザーだ。年間10社限定でアドバイスを提供し、時給は30万円だという。まさに厚利少売を体現する人物である。
「時給30万円なんて、自分とはまったく次元の違う人だから、参考にならない」と思わないでほしい。著者も、時給30万円に設定したときは、「報酬以上の価値を提供できるだろうか」「誰からも求められなくなったらどうしよう」という不安を抱えていたそうだ。本書では、菅原氏がその状態を乗り越えて手にしたノウハウが惜しみなく明かされている。
想像してほしい。本書のノウハウを実践すれば、あなたの商品・サービスの価格を10倍にしてもお客さんがつくだろう。一般的に見ればかなり高価なのに、買いたくても買えない人が出てきて、常に順番待ちの状態だ。
もはや広告にお金をかける必要はなく、口コミでお客さんが集まってくる。提供数をしぼりつつ、たくさんの利益が残り、さらなる値上げもできる――。どうだろう、読んでいるだけでもワクワクしてこないだろうか?
厚利少売を実現し、自分もお客さんも幸せにしたいなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。

本書の要点

・多くのビジネスは「薄利多売」型だ。その原因は、需要の見極めの甘さにある。
・厚利少売の基本原則は、提供する価値に責任をもつ、供給量をしぼる、「売上脳」ではなく「利益脳」、異常値になる、の4つだ。
・「需要の見極め」を制するものがビジネスを制する。高くても買ってくれる人を見つけるには、お客さんの解像度を上げる→候補を見つけ、さらに解像度を上げる→勇気を出して提供してみる→「相手の変化量」を聞く、の4ステップで進めるとよい。



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