レビュー

起業したい、何かビジネスをやってみたい。そう思ったら、まず何をすればいいのだろうか。


資金を貯める、ノウハウを学ぶ、人脈を広げる――。もちろん、それらも一案だ。しかし本書を読むと、何よりも大事なのは「一歩を踏み出す勇気」であることを知るだろう。
本書は、駐車場シェアリングサービス「アキッパ」を手がけるakippa株式会社の創業物語である。今でこそ新進気鋭のテックカンパニーであるが、もとは著者の金谷元気氏がたった一人で立ち上げた営業代行会社だった。当時、ビジネスの知識はほとんどなく、開業資金は5万円。それがなぜここまで成長できたのか? 「番狂わせ」はどのようにして起きたのか?
本書の構成は、金谷氏の起業ストーリーと、akippa社の経営を分野別に解説する2部構成となっている。“汗と涙のノンフィクション”に終始せず、スタートアップ経営のイロハを示してくれているところが、本書の醍醐味でもある。
会社を運営していく過程では、当然ながら様々な困難に直面する。初志や自分のやり方にこだわるあまり、組織の成長を自ら阻んでしまう経営者は少なくない。しかし金谷氏は、人の意見に素直に耳を貸し、時に軌道修正もいとわない。良き協力者たちが次々と集まり、組織や事業を着実に育てられたのは、この姿勢に依るところが大きいと要約者は感じた。

さて、起業するには何が必要か。本書を読んで、そのヒントを見つけていただきたい。

本書の要点

・高校を卒業してJリーガーを目指していた著者は、ある出来事をきっかけにビジネスに興味を持つ。そして24歳の時、営業代行会社を起業する。
・大口の資金調達はしたものの、会社は火の車だった。ある日、自宅の電気を止められてしまった著者は、電気のような「なくてはならないサービスをつくりたい」と思うに至る。これが駐車場シェアリングサービス「アキッパ」誕生のきっかけとなった。
・大手テックカンパニーが次々と参入してきたが、著者らは人材補強や地道な駐車場開拓活動を展開。ついには「ジャイアントキリング」を起こした。



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