レビュー
他人が気になって仕方がない、他人の言動にモヤモヤする……。
社会で生きる以上、誰しもこんな経験はあるはずだ。
紹介されるのは「自己中心的な人」「察してほしい人」など、いわゆる「めんどい人」への対処法。「いるいる、こんな人」とうなずきながら読み進めていくと、次第に問題は相手ではなく、自分の中にあることに気づかされる。「人生のよし悪しは主観で決まるの」と著者が言うように、他人に振り回されず、納得できる「自分軸」を貫けるかどうかは、あくまで自分の思考や行動にかかっているのだ。
「他人など気にしない」という人には、本書を読んで自分が「めんどい人」になっていないか考えてみてほしい。要約本文でも取り上げたが、「上から目線」は承認欲求の表れという指摘に、ついつい「上から」な物言いをしがちな要約者はドキリとさせられた。本当に自分軸で生きているなら、他人の評価など気にならないはずだという言葉には耳が痛い。
「自分軸」に基づく思考法や、相手に媚びずに物事を円滑に動かすテクニックを知りたい方には、本書をおすすめしたい。医師としての知見に加え、著者自身の人生経験、それから「アテクシ」を一人称とする独特のオネエ言葉の親しみやすさが、生きづらさをやわらげる本書の「テキトー」論に説得力とぬくもりを持たせている。
本書の要点
・自己中心的な人に対応する時、おすすめの手法は「アイメッセージ」だ。相手を主語にして責めるのではなく、自分の気持ちを伝えることを意識しよう。
・自分の価値観を押しつけてくる人の意見は、参考にならなければ「そういう考え方もありますよね」と受け流そう。
・パートナーの「束縛」問題は、価値観の違いの問題だ。軽くとらえずに、しっかりと向き合い、お互いの納得できるルールを決めよう。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。