レビュー

会議や商談の場で、上手に説明できる人がいる。複雑な物事でもコンパクトかつ的確に伝え、相手を気持ちよく動かす人だ。

そんな人たちはいったい、説明下手な人と何が違うのだろう……そんな疑問に明確な答えをくれるのが本書だ。
著者の鶴野充茂氏は、国内外数百社の経営者や政治家、医師・弁護士などの広報アドバイザー、トレーナーとして活動している。さらには、ビジネスパーソンを対象とした説明力や文章力を高める講座を開講してもいる、まさにコミュニケーションの専門家だ。
本書ではそんな鶴野氏が、「上手に説明できる人」と「できない人」の習慣を比較しながら、さまざまなシーンで役立つ説明のコツを示している。一例を紹介しよう。仕事で大事なプレゼンが目前に迫ってきたとき、「大谷翔平が初めてメジャーリーグの試合に出場するときのような緊張感ですよ……」と、有名人に例えるのは、上手に説明「できない人」だ。なぜなら、相手が大谷選手のことをよく知らない場合、意図が正確に伝わらないからだ。一方、説明上手な人は、誰でも経験したことがありそうな「あるある」を例に出す。
本書を読み進めるうちに、自分が有効だと思い込んでいた説明術が、実は逆効果であったことに気づくかもしれない。明日から説明上手なあなたに生まれ変わりたいなら、本書で「上手に説明できる人」と「できない人」の習慣を見比べることから始めてみよう。

本書の要点

・上手に説明できる人は「あるある」を例に挙げ、できない人は有名人にたとえる。有名人の例は、相手によっては正確に伝わらないことがあるため、避けたほうがよい。


・上手に説明できる人は全体像から話し、できない人は細かいところから話す。最初に全体像を示すと、聞き手は効率的に情報を処理できる。
・上手に説明できる人は相手に質問させようとするが、できない人は納得させようとする。簡潔な説明をしたあと、「どの部分をより詳しく説明しましょうか」と問いかけるなどして、相手からの質問を引き出そう。



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