レビュー

「些細なことで、あれこれ思い悩んでしまう」「心を塞ぐ出来事があると、そこにとらわれがち」「傷つくのが怖い」。1つでも当てはまるものがあれば、本書をぜひ読んでほしい。


著者は、曹洞宗の住職で、「世界が尊敬する日本人100人」にも選出された枡野俊明氏だ。『人生を整える禅的考え方』『放っておく力』など、数多くのベストセラーを手掛けてきた。そんな著者が「禅僧はみな図太い」と語るのは意外ではないだろうか。
図太いというと、他人の心に土足で踏み込むような、無神経なイメージが湧くだろう。だが、本書が説く図太さはそれとは違う。「生きていくうえで心を強く持っていられる態度の源流」だというのだ。困難に直面しても押しつぶされないたくましさ。落ち込んでもすぐに立ち直るしなやかさ。そして、批判を受けても「まぁいいか」と受け止められるおおらかさ。こうしたものは、図太さの土壌の上に培われるものだという。
著者自身は、禅的な生活を通じて、心の図太さが育っていったそうだ。禅の教えを念頭に思考し、行動すると、穏やかに生きていくための「真の図太さ」を培っていける。
本書では、そのための具体的なアドバイスが、著者の優しい語り口で紹介されていて、読み進めるにつれ心が洗われていく。
人間関係の悩みに心を乱されず、しなやかに生きたいと願う方に、本書をおすすめしたい。禅の教えが、あなたの心をほぐしてくれるだろう。

本書の要点

・図太い人は相手の言動に対していい意味で鈍感、おおらかである。図太さは繊細ささえも大いなる魅力に変える。
・人間関係においては、きっちりではなく、ゆるく、ざっくり先を読むのがよい。
・立ち直りが早い人は、気持ちの切り替えがうまい。落ち込んだときに、禅の考え方としておすすめなのが掃除をすることだ。
・究極の図太さとは、「ただの人」として生きることである。



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