レビュー

限りある人生の時間を、私たちはいったいどのくらい「悩むこと」に費やしているだろうか。あの人が苦手、今期の営業成績が未達に終わりそう、老後の生活が漠然と不安……ささいなものから深刻なものまで、私たちは常に悩みに取りつかれている。


本書は「悩まない人」になりたい読者のための本だ。著者の木下勝寿氏は一代で北の達人コーポレーションを時価総額1000億円企業に育て上げ、「アジアの優良中小企業ベスト200」を4度受賞するなど、その経営手腕を高く評価されている。『売上最小化、利益最大化の法則』『時間最短化、成果最大化の法則』などの著書を読んだ人も多いだろう。
「悩まない人」というと、ポジティブ思考の人を思い浮かべるかもしれない。だが木下氏によると、真の「悩まない人」は単なるポジティブ思考の持ち主ではなく、独自の思考プロセスを踏んでいるそうだ。むしろポジティブ思考の人は、問題を無視しているだけだから、また同じようなことに悩まされるとも指摘している。本書ではその前提のもと、「悩まない人」になるためにインストールしたい2つの大原則と30の思考アルゴリズムが紹介される。
要約者にとって特に衝撃だったのは、「思いどおりにいかない」と「うまくいかない」は違うということだ。私たちは、期待どおりに物事が進まないと落ち込んでしまいがちだが、それは単純に、想定していたルートでは「思いどおりにいかない」だけ。すぐに別ルートを採用すればいい。
ウジウジ悩みやすい人が本書を読めば、目の前がパッと開けたように感じるだろう。すぐに本書を手に取って、この感動を体感してほしい。

本書の要点

・「悩まない思考の大原則」は2つ。(1)「思いどおりにいかない」と「うまくいかない」は違う、(2)問題は「解決」しなくてもいい、だ。
・数年来の悩みだからといって、解決に時間がかかるとは限らない。悩まない人は、その場ですぐ解決方法を考えるか、考えるための時間をスケジュールに入れて、短期集中型で解決する。
・とりあえず「ラッキー!」というクセをつけると、トラブルや困難が「自分を前に進ませてくれる原動力」に変わっていく。



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