レビュー
病気になってはじめて健康のありがたみを知るように、失ってからその価値に気づくことは多い。その最たるものが、時間だ。
だが、「時間を無駄遣いしよう!」と思って過ごしている人はいないはずだ。その時々で“やるべきこと”に勤しみ、それなりに一生懸命生きている。それでもあとになって悔やむのは、「自分の人生の目的」「本当に大切なこと」がわかっていなかったからではないだろうか。
私たちの毎日は、目の前の“やるべきこと”をこなすことで回っている。しかし、それらは本当に“今やるべきこと”なのだろうか。本書では興味深いエビデンスが紹介されている。それは、脳は「緊急性と重要性の区別がつかない」というものだ。たとえば「急ぎだから」と仕事を頼まれると、今やっている仕事を差し置いてそちらに取りかかってしまうことがある。しかし、よく考えてみると最優先でやらなくてもよかった……ということはないだろうか。
同じようなことは、「人生」でもよく起こる。私たちは「緊急ではないけど重要なこと」を後回しにしがちだ。
本書は、世界中の論文や研究結果をもとにした「本当に大切なことをするための時間術」を教えてくれる。今からでも遅くない。有意義な人生を歩みたいのなら、ぜひ本書を手に取ってほしい。
本書の要点
・「急ぎのタスク」に惑わされず、自分の人生の目的のために生きなければならない。
・やってみたいけど難しそうなことに出会ったら、「時間」を基準に判断しよう。それをやって幸せになれそうであれば、迷わず挑戦すべきである。
・目標達成のための行動は、少しフライングして始めよう。そのほうが気持ちよくスタートでき、達成率も上がる。
・「To Doリスト」は4つまでにしよう。それぞれ「なぜ重要か」を考えて、自分の価値観を再確認することが大切だ。
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