レビュー

「新しい提案をしても『前例がないから』と却下される」「話は聞いてもらえるが、結局実行に移されない」「やっぱり何をしても無駄」
職場にそんな空気がただよってはいないだろうか。
組織には、その場の空気がある。

誰が決めたわけでもないのに、「なんとなく」そうしなければならない気持ちにさせられる、暗黙のルールのようなものだ。それはそこにいる人たちによって「なんとなく」醸成され、「なんとなく」守られ、「なんとなく」継承されていく。この目に見えない雰囲気のようなものを、著者は「組織の体質」と呼ぶ。一人ひとりは優秀なのに、組織という単位になったとたんに「ザンネン」になってしまうのは、この「体質」のせいなのだというのが著者の主張だ。
「組織の体質」は、場を支配し、そこで働く個人の意識や価値観までも変えてしまう。これを古いままアップデートしなければ、時代についていけない組織になってしまう。現代を生き残るために、「組織の体質」改善は必須なのだという。
本書によれば、「体質」を変えるのに必要なのは、小さな一歩である。小さなことでもいいので、個人が行動を起こすことが、「組織の体質」を変えることにつながっていく。「なんとなく」できあがっていった「体質」は、意志を持った行動で変えていけるのだ。本書はそんな小さなステップを紹介している。
「何をしても無駄」という諦めこそ、「組織の体質」に毒された結果かもしれない。
自分から行動を起こし、自分の力で組織を変えていこう。

本書の要点

・一人ひとりは優秀なのに、チームや組織という単位になるとギクシャクしてしまうことがある。これは組織の「体質」が原因だ。体質は、同調圧力や慣習によって醸し出される暗黙の了解のようなものだ。これを放置すると、そこで働く人々の思考や行動、価値観も悪い方向へ変わっていってしまう。
・慣習や環境を変えていけば、組織の体質も変わっていく。1つでも行動に移せば、それに共感する人が出てきて、いつかそれが多数派になるかもしれない。組織体質は意志のある行動で変えていける。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ