レビュー

日本を代表する芸術家・岡本太郎。1970年に開催された大阪万博のシンボル「太陽の塔」や、「芸術は爆発だ」という名言を思い起こす人も多いだろう。


本書は、岡本太郎が残した言葉をまとめた一冊だ。初版は2003年だが、20余年のときを経て新装版として再出版された。
岡本太郎は自身の作品と同様、エネルギッシュな人物であった。本にしたためられた太郎の言葉は短くも力強く、ストレートに突き刺さる。そして、人目を気にしながらびくびく生きる私たちを一喝する。
「やろうとしないから、やれないんだ」
「カッコよく生きようとするのは自分自身に甘えているにすぎない」
「能力の限界を考えていたら何もできやしないよ」
「誰もが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない」
本書には、何度も「賭ける」という言葉が出てくる。自分に賭ける、人生に賭ける。成功するかどうかなんてわからないし、その道が正しいかもわからない。そのような卑しい気持ちを持たず、むしろ「成功なんてしなくていい」と開き直って己を貫き通す。そうやって命の限り生きてきたのが、岡本太郎という人間なのだ。
本書は読者を選ばないが、とりわけ若い人たちに読んでもらいたいと思う。自分の行きたい道に進む勇気が持てない。
将来を考えると足がすくむ。進路を親に反対されている。そんな葛藤を抱える令和の若者に、太郎の言葉を贈りたい。
「人生はキミ自身が決意し、貫くしかないんだよ」。

本書の要点

・やりたいことがあるなら、やればいい。人に認められようなどと思わないで、己を貫くことだ。力は自分を賭けることで湧き出てくる。
・駄目なら駄目なりに自由に生きていけば、道はおのずとひらかれる。
・たとえ三流でも、自分がいいと思うなら堂々と主張しよう。その価値を広めるために尽力することで、世界は変わってくる。
・瞬間瞬間に爆発し続けるのが、いのちのほんとうの在り方だ。



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