レビュー
大きな契約を獲得した同期社員を見て、つい「どうしてあいつが」と思ってしまった。
チームのためにいつも雑用を引き受けているけれど、感謝も評価されない。
休日を有意義に過ごすはずだったのに、もう夕方だ――。
あなたもこんなふうに、焦りや不安を感じることがあるだろう。これ以上誰かを嫉んだり自分を責めたりする前に、ぜひ本書を読んでもらいたい。
本書の著者、野村総一郎氏は、精神科医として45年間、延べ10万人以上の患者さんと向き合ってきた。そんな著者によると、「自分は能力が低く、誰にも評価されない」「友人たちは充実した生活を送っていて妬ましい」といった悩みの大きな原因は「いつも他人と比べてしまっている」ことにあるという。そしてこの悩みを解決するには、古代中国の思想家・老子の教えである「ジャッジフリー=ジャッジすることを意識的にやめる」が有効だと書いている。
本書では「他人が気になったら」「人を妬ましく思ったら」「自分は何も残せていないと思ったら」「認めてもらえないと思ったら」など、さまざまな悩みに対して、老子の言葉を引用しつつ、「ジャッジフリー」で考えるためのヒントが示される。それぞれに「鏡の思考」「足湯の思考」「昆布の思考」「太陽の思考」といったユニークな名前がつけられているのもポイントだ。モヤモヤしているときに読めば、心がふわっと軽くなるに違いない。
本書の要点
・まわりの動向が気になるときは、「鏡の思考」で自分のことだけを見るようにしよう。他人と自分を比べて「勝った」「負けた」と右往左往するのではなく、自分自身と競い合うのだ。
・みんなから「すごい」と言われる人を羨ましく思ったら、「昆布の思考」で考えてみてほしい。
・自分のがんばりを認めてもらえていないと感じたら、「太陽の思考」の出番だ。あなたのがんばりはお天道様が見ている。純粋に「自分が好きな自分」として振る舞っていればいい。
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