レビュー

「売上ノルマをなかなか達成できない」。これは多くの営業が抱える悩みである。

一方で、毎月ノルマをクリアし続ける営業がいることも事実だ。同じ会社で、同じ商品を扱っているにもかかわらず、なぜこのような差が生まれるのだろうか。その違いが“習慣”にあるのだとしたら。
著者の菊原智明氏は、トヨタホームで4年連続、営業トップとして活躍した人物だ。しかし、かつては7年もの間、クビ寸前の売れない営業として苦しい日々を過ごしていたという。本書では、そんな菊原氏の経験を生かし、「稼げる営業」と「ダメ営業」の習慣の違いを61項目に分けて解説している。
営業経験のある要約者にとって、本書には「もっと早く知りたかった!」と思う習慣が数多くあった。たとえば、「稼げる営業はプランDまで準備し、ダメ営業はプランBまでしか準備しない」「稼げる営業は次回のアポを『商談前』に取るが、ダメ営業は『商談終了後』に取る」といったものだ。実際に要約者自身も、ダメ営業側の習慣が原因で商談に失敗したことがある。
どのアドバイスも難しいものではなく、すぐに始められるものばかりだ。著者の豊富な経験に裏打ちされた具体例がたくさん紹介されているため、実践しやすいのも魅力である。
売上が伸びずに苦しんでいる営業担当者だけでなく、ノルマ未達の部下を持つ営業マネージャーにも、本書をおすすめしたい。
また、営業職ではない人にとっても、自身の習慣を見直し、さらなる成長を目指すきっかけとして役立つだろう。

本書の要点

・稼げる営業は、商談前の準備を徹底し、最低でもプランDまで用意する。
・稼げる営業は、要望を鵜呑みにせず、何度も質問して本音を引き出し、お客様が自ら答えを導き出せるよう話を進める。
・稼げる営業は、契約後であっても手を抜けば痛い目を見ることを知っている。



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