初めまして! 最近婚約した男性がニューハーフ・男の娘好きを公言しており、困惑中のcocoです。

このコラムは、今付き合っているパートナーとの出会いをきっかけに、自分自身の性的指向を考え直すことになった私の、LGBT迷子旅を綴った記録です。


じつは「自分の性的指向がよくわからない」という人は意外と多いんじゃないかな? とも思うのです。

まずは、私の恋愛遍歴をお話ししながら、これまで「自分はノーマルだ」と信じて疑わなかった私が、なぜ自分の性的指向に疑問を持つようになったのか? を、包み隠さずお話ししていきたいと思います。


■BLに溺れた学生時代

中学生ともなれば「〇〇君がかっこいい」だの「××ちゃんは△△くんが好き」だの、友達同士の話題は恋愛がらみが中心になりますよね。

私の周りの友達も、恋愛漫画を貸し借りしては「こんな彼氏が欲しい!」「こんな素敵な恋愛がしたい!」と胸をドキドキさせて、いつか現れる王子様に熱い想いを馳せていました。

私はBLにハマり、男同士の恋愛に萌える日々。自分自身が恋愛するとは到底思えなかったので、少女漫画の恋愛がピンと来なかったのです。

現実世界で自分が男性とイチャコラする姿が想像つかなかったし、「白馬の王子様なんかいらない」「なんなら私が王子になって自分を助けるわ」と思っている、ひねくれた処女でした。


一部の女子からイジメられていたこともあって、現実逃避のためにBL小説を書きまくっていたのかもしれません。どうでもいいけど、世界でいちばんエロいのは、童貞と処女だと思っています(妄想が激しいから。ていうか、想像するしかないから妄想力がすごい)。


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■イタズラ電話で男性恐怖症に

なぜ私が現実世界で自分が異性と恋愛する姿を想像できなかったかというと、それは幼い頃から男性に恐怖を抱く経験が少なからずあったからです。

私は、とてもつもない田舎で小学校まで過ごし、その後、都会の中学校に転校しました。

新しい学校では、転校生が珍しいのか、田舎からきた天然パーマの長身女子が珍しいのか、休み時間のたびに教室の外に人だかりができていました。

家には毎晩「付き合ってる人とかいるんですか?」「好きなタイプはどんな人ですか?」「今まで誰かと付き合ったことあるんですか?」といったイタズラ電話がかかってくるようになり、入れ替わり立ち替わり日々いろんな男性から電話が来るので、ついに母は半狂乱になり、家の電話のコードをハサミでジョキン! と切る始末。


その後、母は「夜8時以降は家の電話の回線ケーブルを抜く」という解決策を編み出しましたが、深夜23時に裁縫用のでっかい黒光りするハサミを手にした母の、なんとも言えない怒りに満ちた顔と、「あんたなんか産まなきゃよかった」というセリフを私はいまだに忘れられません。

■高校時代は女の子に片思い

「○○にはどうやっていけばいいの?」と、下校中に車に乗った男性から声をかけられることもよくありました。

運転席と助手席に男性が2人乗っていて、帰宅中の私の後ろから車がソロソロと近づいてきます。

声をかけられて振り向いた瞬間、助手席のドアが開き、中から男性が飛び出してきて私の腕を掴み、車の中に引きずり込まれそうになったことも1回や2回ではありません。

そうやって思い返してみると、3歳や5歳といった幼い頃から、私は性的な目で見られていたように思います。幼い子供でも、自分が性的な目で見られていることは、不思議とわかるものです。


自分に向ける視線に性的なニュアンスが含まれているのを感じ取ると途端に嫌悪感が生まれますが、それ以外であれば大丈夫。むしろ、恋愛感情を持たれないのであれば男の子の方が一緒にいて楽でした。

仲が良くて、相手を人として感じよく思うことはあっても、自分から同級生の男の子に恋心を抱くことはありませんでした。もっとも、中学生ですから、恋をするにはまだまだ早かったのかもしれません。

そんな中学時代を過ごし、高校に入学して、私の人生は一転します。同じクラスの女の子、いずみちゃんに恋をしたのです。


次回は、私の片思い相手・いずみちゃんについてお話しします!

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(文/fumumu編集部・coco