仁義なき戦い──。国民民主党が、夏の参院選の大阪選挙区(改選4)に「日本維新の会」に所属していた足立康史前衆院議員を擁立することがわかった。
足立前議員は昨年6月、所属していた維新から「執行部を批判した」として6カ月の党員資格停止処分を受け、その後、衆院選への立候補を見送り、政界引退を表明していた。「内ゲバ」の果てに引退に追い込まれたような形だった。よほど腹に据えかねたのか、足立前議員は引退後、月刊誌に「維新 最大の恥部を暴く」というタイトルで寄稿。維新の体質を暴露している。
維新と仲たがいした元所属議員を、維新の地元・大阪で擁立するとは、国民民主は維新にケンカを売るのも同然だ。
しかし、維新の牙城で国民民主は勝てるのか。
「足立前議員は、大阪出身。当選4回。選挙区は衆院大阪9区でした。一定の知名度があるのは間違いありません。ただ、当選は簡単ではないでしょう。
■国民民主に野党協力するつもりサラサラなし/b>
立憲民主や維新は、自民党に対抗するために、なんとか野党候補を一本化して参院選を戦おうとしている。野党候補が乱立しなければ、32ある1人区で自民候補と互角の戦いができるとみられているからだ。
しかし、国民民主は野党と協力するつもりは、サラサラないようだ。
「国民民主の玉木代表の頭にあるのは、参院選後の連立入りでしょう。自、公に担がれる形での『玉木首相』を狙っているともみられています。そのためにも参院選では躍進したいのだと思う。選挙区で勝つのは容易ではないでしょうから、だとすると比例を増やすしかない。比例票を伸ばすには野党協力はマイナスと計算しているのではないか」(政界事情通)
はたして、国民民主の参院選戦略を有権者はどう判断するのだろうか。
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