“ゆ党”の立場では、飽き足らなくなったようだ。


 国民民主党の玉木代表が22日の会見で、参院選後にいずれかの政党との連立政権に参加するかを問われ「手取りを増やす。

そのために協力できるところとはしていく」と発言。連立入りに含みを持たせた。


 こうした発言を受けて、時事通信が「玉木氏『政策同意なら政権参加も』」との記事を配信すると、気に入らなかったのか、玉木氏は即反応。X(旧ツイッター)で「時事通信さん、飛ばし過ぎですよ。『協力する』と言いましたが、『政権参加する』とは言っていません」と文句を垂れたのだ。


 18日にはデイリー新潮が「国民×公明タッグで『玉木雄一郎首相』誕生の可能性」と報道。これにも即座に反応し、Xで「デイリー新潮さん、想像力たくましいのは結構ですが(中略)事実に反するものが多くないですか」と投稿していた。見せ方を気にしているのか、随分とメディアへの注文が多い。


「国民民主は参院選に向けて与党と対決姿勢をとることで支持を得る戦略ですから、『連立入り』と報じられると困るのでしょう。ただ、本音ではまんざらでもないはずです。玉木さんは与党入りして大臣就任を切望していると囁かれています。『次の首相』の呼び声まで上がり、本人は“絶頂”のはずです」(官邸事情通)


 産経新聞とFNNが19、20日に実施した世論調査で、今後の望ましい政権の枠組みについて聞いたところ「自公両党に野党の一部が加わった政権」との回答が48.3%で最も多く、「自公政権の継続」の13.9%を引き離した。

この結果にも内心はニンマリに違いない。


 会見で見解を聞かれると、「国民の脳内では政権のありようの変容が起きている。何らかの形で今の野党が加わってくれということだと思う」とミョーにうれしそうに答えていた。



不倫、パワハラ問題もくすぶったまま

 しかし、玉木氏の思惑通りにコトが運ぶとは限らない。22日、党所属の平岩征樹衆院議員が過去、名前と職業を偽ってマッチングアプリで知り合った女性と不倫していた問題が発覚。週刊現代電子版が報じた。千葉県連のパワハラ問題もくすぶったままだ。「いつまでも好調が続くとは思えない」(国民民主関係者)という声も上がる。


 そもそも「首相就任」「連立入り」などと囁かれて浮かれているなんて、あまりにフザケた話である。裏金問題の解明に後ろ向きで、トランプ関税や物価高無策の自公を手助けするも同然だからだ。


「昨年の衆院選で少数与党に追い込んだ国民の意図は『腐敗した政治を根本から変えて欲しい』だったはずです。ならば、野党は与党と対峙して政権交代を目指すのがスジ。

なのに、国民民主は与党にすり寄って甘い汁を吸わせてもらって満足しているのだから、目も当てられません。『参院選で議席を伸ばせたらいい』くらいのことしか考えていないのでしょう。連立入りなんて、自公に手を貸すだけですから、著しく民意から離れています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)


 国民はだまされてはいけない。


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 千葉県連のパワハラ問題。玉木代表は、キチンとした調査を実施し、厳しい処分を下せるのか。パワハラ議員のクビを切れないウラ事情とは。●関連記事【もっと読む】『国民民主党・玉木代表が“パワハラ女性議員”のクビを切れない裏事情…グダグダ会見で露呈したガバナンス不全の深刻度』で詳報している。


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