夏の参院選に向けた動きが本格化している。


 地域政党「再生の道」の石丸伸二代表は25日の会見で東京選挙区に1人、比例代表に9人擁立すると発表した。

選挙区で出馬を予定しているのは、JETRO(日本貿易振興機構)や在ロシア日本大使館で勤務経験がある転職支援会社に勤める吉田綾氏(40)。「首都決戦」は候補者乱立が予想される。


「台風の目」となりそうなのは党勢好調の国民民主党。元NHKアナウンサーの牛田茉友氏(39)、昨秋の衆院選(東京28区)で落選した会社員の奥村祥大氏(31)の公認を発表。牛田氏1人にとどまらず、マサカの2人目擁立に永田町がザワついている。


 東京選挙区は今回、上位7人が当選できる。改選数6に加え、欠員1を埋める補選も併せて実施されるためだ。7位の任期は3年。通常より1枠多いものの、「普通に考えて2人当選は無理」とみる国民民主関係者はこう言う。


「東京選挙区の当選ラインは低く見積もっても50万票。2人通すなら最低でも100万票集めないといけない。党勢が上向きとはいえ、そんなに取れるか疑問だ。

それに、票割りも困難。知名度の高い牛田さんに票が集中し、奥村さんは沈みかねない」


■まさかの“共食い”なら票読めず


 なぜ、むちゃな2人擁立に打って出たのか。前出の国民民主関係者は「立憲民主党を潰す気だ」と言い、こう続ける。


「立憲は現職の塩村文夏議員(46)と、1年前に比例代表で繰り上げ当選したミュージシャンの奥村政佳議員(47)を立てる。今の党勢だと、顔と名前が知られている塩村さんは堅いが奥村さんは微妙。国民民主はあえて同姓の『奥村』をブツけ、立憲の奥村さんの足を引っ張るつもりだろう。投票用紙に『奥村』とだけ書かれ、候補者を特定できない場合、両陣営の得票数に応じて案分される。立憲の奥村さんは票を減らす可能性がある」


 立憲関係者も「奥村潰し以外あり得ない」と吐き捨てた。


 そうでなくても東京選挙区は有象無象が集まりがち。とりわけ今回は乱戦必至だ。


「2人擁立予定の自民党は現職の武見敬三前厚労相(73)のほか、元参院議員の女性が内定。日本維新の会は音喜多駿元参院議員(41)が浮上しており、れいわ新選組も調整中。

根っこが同じ国民民主と立憲が奥村氏を巡って“共食い”すれば、当落は全く読めない」(永田町関係者)


 本番まで残り3カ月。一体どんな顔触れになるのか。


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 参院選に向けて与党と対決姿勢をとることをアピールしたい国民民主の玉木代表だが、本音は連立入りなのが見え隠れして…。。●関連記事【もっと読む】『国民民主党・玉木代表「連立入り」「首相就任」報道に文句連発も…ホンネは自公政権救済へ“色気ありあり”』で詳報している。


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