【今週グサッときた名言珍言】
「これは愛なんです」
(リンダカラー∞・Den/テレビ東京系「ゴッドタン」4月26日放送)
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「カリスマと2人の信者」という唯一無二の形の「カリスマンザイ」でブレークしたリンダカラー∞。もともとはDen(31)と、たいこー(31)の幼なじみコンビだったが、Denの「ファン」だった、りなぴっぴが「信者」として加入し、トリオに。
それはヒドいのではないかと共演者に責められ、返したカリスマ・Denの言葉を今週は取り上げたい。たいこーと別れる道もあったが、「たいこーと一緒に売れたい、1回俺が前に行くけども、後からついてきてくれ、おまえならきっと大丈夫」という思いがあったという。
Denとたいこーが出会ったのは小学3年の頃。以来、「ずっと一緒にいた」という。遊ぶ時の集合場所はいつも、たいこーの家で、Denは「留守中のカギの隠し場所まで知っていた」(タウンニュース社「タウンニュース」2019年7月19日)。中学時代は「おもしろいヤツが一番だし、モテる」校風で「もちろん。最強でしたよ」とDenはうそぶく(テレ朝動画「logirl」24年11月21日)。彼らの“初舞台”が中学3年の修学旅行のとき。他の友人2人を加えた4人組で漫才を披露した。高校は別々で、Denが大学卒業のタイミングで、たいこーが誘って芸人になった。
Denのナンセンスなボケに、たいこーが困惑しながらハイテンションでツッコむ漫才で、結成3年目に「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)で準々決勝進出を果たし、次世代のスター候補のユニット番組「ウケメン」(フジテレビ系)のレギュラーにも抜擢された。
そんな中で突然の、りなぴっぴの加入。ファンや芸人仲間はもちろん、たいこーも驚いたという。Denは普通の漫才の枠にとらわれたくなかった。「伝統ができあがっているというか、あらゆるパターンやセオリーがすでにある。でも、この3人だったらその“間口”をもう少し広げて発信できるな」(朝日新聞出版「AERA DIGITAL」24年3月14日)と考えたのだ。
もうひとつ理由があった。Denには「僕のボケで、たいこーが困ってるのがおもしろい」という確信があった。「それは小学生の頃から変わらない。昔はネタとか平場でたいこーを困らせてたけど、りなぴっぴが入った今は、人生まるごと使って困惑させるのが、テーマ」(「logirl」=前出)だと。
幼なじみの親友を“困惑”させた先に、世間の想像と芸人の枠を超える未来を、本気で思い描いているのだ。
(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)