とりあえず頭を下げたが、少しも謝っていなかった。自民党の西田昌司参院議員が9日、沖縄戦で犠牲となった女子学生らを慰霊する「ひめゆりの塔」の展示説明を「歴史の書き換え」とした3日の講演での妄言について「訂正、削除する。
しかし「非常に不適切」と認めたのは「ひめゆりの塔の名前を出して講演した」ことだけで「TPOをわきまえるべきだった」と問題をすり替え。講演での「沖縄の場合、地上戦の解釈を含めてかなりむちゃくちゃな教育がされている」との指摘は撤回せず、「自分の言っていることは事実だという前提で申し上げている」とエラソーに居直った。到底「謝罪」と呼ぶに値しない。
7日にいったん発言撤回を拒否した西田氏が一転、釈明したのは沖縄県内や野党に加え、与党内からも批判が続出。自身も改選を迎える参院選への悪影響を懸念した自民幹部に促され、渋々、撤回に応じたのだ。
地元・京都府政関係者が言う。
「特に西田氏への推薦を決めている公明党はカンカンです。平和の党としての歴史観、価値観と相いれず、支援者からは『推薦を出すな』と批判が殺到。7日には西田幹事長が発言撤回を要求しましたが、支援者の怒りが収まらなければ推薦を取り下げざるを得ない」
■平和の党も右寄り岩盤支持層も離れ…
参院京都選挙区の改選数は2。西田氏は2007年の初出馬以来、3期連続で当選を重ねてきたが、公明が推薦を見送ると、がぜん選挙は苦しい。
「京都は革新系が強く、かつては自民・共産両党が2議席を分け合う『自共指定席』と呼ばれたほど。
結党以来、自民が参院京都を落としたのは惨敗した1998年の1度きり。はたして27年ぶりに鉄槌が下るか。いや有権者は必ず下すべきだ。
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