令和になっても、芸能界と暴力団の関係は水面下で続いているようだ。“黒い交際”が「週刊新潮」(5月22日号)に報じられたのが、歌手の松山千春(69)だ。
松山は1990年代から2000年代にかけて、指定暴力団の忘年会や葬儀に出席していたことが発覚するなど、かつて“黒い交際”がたびたび報じられてきた芸能人の一人だ。07年に京都を本拠地とする指定暴力団の会長就任10周年を祝うパーティーに出席し、持ち歌を披露している。
しかし、一般人が暴力団と商取引をしたり、関係を持ったりすることを事実上禁止する暴力団排除条例が11年に全国で施行されてから、一切の関係を断っていたと思われていた。今回流出したのは、今から3年ほど前に喪服姿の松山が指定暴力団関係者の一周忌法要に出席した際、自身のヒット曲「大空と大地の中で」などを披露している様子が映し出された動画だった。
「松山は11年の全国コンサートツアーで『自分だって暴力団はいない方がいいと思う。でも、よく考えてください。北海道から沖縄まで排除しろって、では、どこに排除しろと言うんですか』と、暴力団擁護とも受け取れる発言をしています。これまで暴力団の交際が発覚したことで番組がお蔵入りしたことがあるにもかかわらず、まったく懲りていないようです」(芸能ライター)
芸能界と暴力団の関係は古い。山口組三代目の故・田岡一雄氏が経営していた興行会社「神戸芸能社」を通じて、故・美空ひばりさんや故・鶴田浩二さん、小林旭(86)らと関係が深かったのはよく知られ、1964年に警察庁が暴力団撲滅キャンペーンを展開したことで神戸芸能は解散に追い込まれた。これで芸能人と暴力団の交際は一掃されると思われた。ところが、その後も芸能人と暴力団の交際がたびたび報じられている。
「1986年12月に指定暴力団『稲川会』の新年会に北島三郎と山本譲二が出席していたことが報じられ、NHK紅白歌合戦の本番2日前に辞退しています。
■ヤクザが好きな芸能人たち
90年代後半には山口組系組長の新築祝いと誕生日祝いのパーティーが広大な自宅の庭で開催され、故・安岡力也さん、小林旭、中野英雄(60)、天地真理(73)、綾小路きみまろ(74)らが出席している様子が収められた動画は今もYouTubeにアップされている。
「吉本興業でお家騒動が勃発した際、吉本の名誉顧問を務めていた漫才師の中田カウスと山口組五代目の渡辺芳則組長の交際が暴露されています。さらに、島田紳助さんが山口組系組長との黒い交際を認めて、芸能界を電撃引退。しばらくして、北野武監督の『アウトレイジビヨンド』に出演予定の中野英雄が暴力団絶縁宣言をしています。紳助さんの場合、自身のトラブルを解決してもらった恩義から暴力団組長と親しくしていました。暴排条例以前は、一部の芸能人は暴力団の親分の誕生日会やゴルフコンペに堂々と参加し、法外な額のお小遣いがもらえるなど暴力団がタニマチ的存在でした」(実話誌記者)
暴排条例以降、こうした派手な動きはすっかり鳴りを潜めていたが、いまだに交際が断ち切れていない芸能人は松山以外にも少なからずいるという。動画が流出しないことを祈るしかないだろう。
(本多圭/芸能ジャーナリスト)
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