《今後は各府省で広告の趣旨、効果などを勘案し適切に判断して対応する》


 林芳正官房長官は3日、政府のフジテレビに対する広告出稿を再開する方針を明らかにした。


 広告出稿をめぐり、元タレント中居正広氏(52)と同局元女性アナウンサーとのトラブルを発端とした騒動で、今年1月から政府や大手企業がフジテレビの「対応が不十分」としてCMを取りやめていたが、ここにきて状況が変わりつつある。


 実際、同日フジテレビは同局系音楽特番「2025 FNS歌謡祭 夏」を7月2日に生放送すると発表したのだ。


「4月放送予定の『FNS歌謡祭 春』は、記者会見が叩かれるなど局のイメージが悪化する中で急きょ取りやめました。経営陣刷新が議論になっていたことやスポンサー離れも大きな要因とされ、実際、『お台場冒険王』や『27時間テレビ』も中止に。現在は、第三者委員会の報告を終えて中小企業を中心にCMも少しずつ戻ってはいます。しかし、いわゆるナショナルクライアントと呼ばれる大手企業は静観したまま。完全にスポンサーが戻ってきたとは言い難い状況です」(広告代理店関係者)


■フジは新役員も決まっていないのに…?


 現状、「フジテレビ再生・改革に向けたプラン」の施策を進める準備段階だ。まだ新経営体制も定まっておらず、6月25日には、親会社フジ・メディア・ホールディングスの株主総会を控えている。それだけに、SNSでは、《スポンサー戻ってきたの?》《今年いっぱい特番は中止すべきでは》という声が多数上がっている。


 このタイミングで、政府がわざわざ〝CM再開〟を匂わせたことも、視聴者に新たな不信感を抱かせている。


 元テレビ朝日でテレビプロデューサーの鎮目博道氏が言う。


「まだ新役員も決まっていないし、再生・改革のプランの具体策を実行できているかを株主や視聴者に判断してもらっていない状況です。誰もが『フジテレビは変わった』という実感がないのに、今政府が広告再開を示唆するのは問題でしょう。

まだ様子見をしている大企業に、お墨付きを与えるような間違ったメッセージを送りかねない行為です。7月の参院選を間近にした不自然なタイミングでもあり、与党がフジでCMを流すつもりなのかと、両者の癒着を想起させますね。やはり、同局が再発防止策を健全に進められる体制が固まって、なおかつ動き出さない限りは時期尚早ではないでしょうか」


 フジテレビの関連会社には、テレビ局の監督官庁である総務省OBら4人が天下りしていたことも明らかになっているだけにモヤモヤが募るだけだろう。


 また、サントリーホールディングス会長も務める経済同友会の新浪剛史代表幹事は3日、「株主総会を見た上で最終判断」と語っているが、「一部の大手企業からは、そもそも数年間も人権問題トラブルを隠してきた同局への不誠実な対応に怒りの声も上がっている。フジテレビ1社の出稿を抑えたところで、売り上げには大して影響もない。むしろ、復活させるリスクのほうが大きいようです」と前出の関係者は話す。


 政府が許しても、世間の目は厳しい。


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