春ドラマの世帯視聴率で唯一2ケタをキープしていたTBS日曜劇場「キャスター」が、6月1日放送の第8話でついに1ケタ台へ陥落。そんな中、視聴率は6%前後と決して高くはないものの、TVerのお気に入り登録数で108万超えと、「キャスター」の85.8万(6日現在)を上回る健闘を見せているのが、芳根京子(27)主演の「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ=木曜夜10時)だ。


「前評判はイマイチだったのですが、芳根さんと相手役の本田響矢さんが演じる“なつ美と瀧昌さま”の新婚夫婦のあまりにもウブなやり取りが話題を呼んで、若年層の支持も得ているようです」(テレビ誌ライター)


 舞台が現代なら《ありえない》と鼻で笑われそうな部分もあるが、「昭和初期ということで、ほどよいファンタジーとして2人のやり取りを《可愛い》と素直に受け止められるのかも」と、テレビコラムニストの亀井徳明氏は分析する。


 今期、GP帯の“恋愛ドラマ”としては、志尊淳(29)と岸井ゆきの(32)が共演する「恋は闇」(日本テレビ=水曜夜10時)もある。こちらは謎を散りばめたサスペンス仕立てで、考察系の“バズ”は一定の成果を上げたようだが、お気に入り登録数は56.8万。真逆のほんわか世界観を貫いた「めおと日和」に軍配が上がった形だ。


 あと3話を残して、すでに“なつ美と瀧昌さまロス”の声も聞こえてくるが、後を継ぐのもまた恋愛ドラマ。フジ木曜劇場の次作は、木村文乃(37=写真)主演の「愛の、がっこう」。木村扮する真面目な高校教師と、ラウール(21=Snow Man)扮するホストが恋に落ちる“純愛もの”というが……。


「“別世界に住む男女の禁断の恋”は、恋愛ドラマの王道ともいえます。ただ、2014年に同枠でヒットした『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』の脚本・井上由美子×演出・西谷弘が再びタッグを組むとのこと。現代の歪んだ社会をデフォルメして骨太に描く内容になるのでは。純愛ものと言っても『めおと日和』のウブさを新鮮に感じたり、癒やされていた視聴者が、それにどう反応するか。今後の恋愛ドラマの方向性を占う意味でも、気になりますね」(前出の亀井徳明氏)


 1952~54年のNHKラジオドラマ「君の名は」では《銭湯の女湯が空っぽになった》、1991年のフジ月9「東京ラブストーリー」では《月曜夜の街からOLが消えた》……かつての恋愛ドラマ黄金期にはそんな伝説も残っているが、「若者の恋愛離れ」と言われる令和の恋愛ドラマは“癒やし”か“シビア”か。

どちらが支持され、どこへ向かうのか。木村は芳根の“純愛のバトン”をうまくつなげるか。


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