広瀬アリス(30)が元ニートの高校教師を演じた「なんで私が神説教」(日本テレビ系=土曜夜9時)が6月14日に最終回を迎えた。
ネット上では《広瀬さんの本音をぶつける神説教が爽快》《教師たちとのワチャワチャが楽しい》《広瀬さんの“心の声”にかぶせる演技が秀逸》などと推す声もあったものの、世帯視聴率は5%前後をウロウロ。
「“異質”な教師が今どきの生徒と向き合うという設定は、学園ドラマの王道。《またか》と言われても、手を変え、品を変えては出てきます。ただ『神説教』は前クールのTBS日曜劇場『御上先生』の印象が鮮烈だった直後のスタートということで、学園ドラマ好きの層にも《ありきたり》という印象を抱かれてしまったかもしれませんね」
そう語るのは、学校を舞台にしたドラマが好きだというテレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は学園ものの面白さを「一番は生徒を演じる若手俳優たちを見ること。今はメインどころでなくても、何年か先に主役を張れるようになる“逸材”がきっといるはずと思って見ています。たとえば『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス』(2007年フジテレビ)や『メイちゃんの執事』(09年フジテレビ)に出ていた鈴木亮平さんとか」
24年夏には「ビリオン×スクール」(フジテレビ)と「素晴らしき哉、先生!」(朝日放送・テレビ朝日系)、秋には「宙わたる教室」(NHK)と「放課後カルテ」(日本テレビ)、そして今年冬の「御上先生」、春の「神説教」、そして次の夏クールでもGP帯に2本、学校が舞台のドラマが途切れることなく続く。
広瀬すずが主演した大ヒット映画版の10年後を描く
7月9日スタートの當真あみ(18)主演「ちはやふる―めぐり―」(日本テレビ)は、高校の競技かるた部を題材にした末次由紀氏の漫画を原作に、映画やアニメでも大ヒットした“青春群像劇の金字塔”の続編。広瀬すず(26)が主演した映画版の10年後を描く。
もう1本は、14日スタートの磯村勇斗(32)主演「僕達はまだその星の校則を知らない」(カンテレ・フジテレビ系=月曜夜10時)。磯村が“学校弁護士”を演じ、法律や校則では解決できない若者たちの葛藤に向き合っていく話だ。ともに高校を舞台にしているが、主軸となるのは前者が“青春のきらめき”、後者が“社会制度と若者の現実”という真逆の切り口のようだ。
「本当は生徒と同年代の視聴者をターゲットにしたいのでしょうが、いま地上波のドラマを見ているのは主に40代以上です。どちらのドラマも、この層にいかに支持されるかに注力しているはず。それでネット上でも話題になって、若年層も取り込みたいというのが本音でしょう『ちはやふる』はシリーズのヒットを支えた中心層の支持をどれだけ集められるか。『僕達は』は、シリアスな展開が得意な“カンテレテイスト”が本作でも発揮されるのかがカギ。元SMAPの稲垣吾郎さんが約9年ぶりの連ドラ出演で理事長役という話題もあるぶん、初速では後者の方が有利に見えますが……」(スポーツ紙芸能デスク)
當真といえば、23年7月期の学園ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ)で悩める優等生役を好演し、評価を高めた。磯村は、18年10月期の「今日から俺は!!」(日本テレビ)のヤンキー高校生役が懐かしい。このあたりのファン層も取り込めるか。いずれにせよ“テレビの事情”に関係なく、“若手発掘目線”で夏の学園ドラマをお気楽に楽しむのがいいかも?
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