《作品名に津田健次郎の名があるだけで、期待値が上がる》


 SNSで、よく目にするコメントだが、数年前であれば、ここで指す“作品”とはアニメを指していた。しかし、最近は、テレビドラマでも、同様のコメントが見られるようになった。


 そんな津田健次郎(53)が、NHK連続テレビ小説『あんぱん』に間もなく出演する。すでに津田の出演をNHKが発表しているが、これから終戦を迎え、ヒロインののぶ(今田美桜)が高知新報の編集局主任である東海林明(津田)と出会うという流れになる。


 SNSには《津田さんの登場が楽しみで仕方がない》《朝からイケオジのイケボイスが聴けるなんて最高》などといったコメントを早くも見かける。今や、女性人気の高いイケオジ俳優の一人だ。


 津田は、1995年にテレビアニメ『H2』の野田敦役で声優デビュー。それ以降、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人役や『テニスの王子様』の乾貞治役で声優として大ブレイク。『極主夫道』の龍役や、『ゴールデンカムイ』の尾形百之介役、『呪術廻戦』の七海建人役など、大ヒットアニメの主要人物を演じてきた。21年には、第15回声優アワードで主演男優賞も獲得している。


「ナレーター、吹き替えなど、彼がこれまで担当してきた作品数はとてつもない。声優界では、様々な名声を手に入れていて、すでにレジェンドの域に達していました。しかし、俳優としての舞台経験は豊富でしたが、テレビに呼ばれることはなかなかありませんでした」(テレビ誌ライター)


■朝ドラ「エール」で“イケボ”が注目


 そんな津田の俳優人生を大きく変えたのが、20年前期のNHK連続テレビ小説『エール』でのナレーションだった。朝ドラのナレーションは女性が担当することが多めだが、津田の津田の低音ボイスでありながら、耳に心地よい声の響きは“イケボ”として注目を集めた。

さらに、同ドラマに俳優として出演したことで《イケボだけじゃなくて、すごいイケメンだった》と評判になり、ドラマ出演が殺到したのだ。


「いざ、テレビドラマに出演するようになると、俳優としての実力もすぐに認められるようになります。いわゆる“イケメン”というのとは違って、狂気を秘めた強い目力は、悪役としてのキャラを引き立て、少しやさぐれた雰囲気は、哀愁さえ漂わせています。ものすごい“イケボイス”に加え、どこか危険な香りを感じさせる“イケオジ”で女性ファンが一気に増えたのです」(前出・テレビ誌ライター)


 それは、やはり、声優としてさまざまなキャラを演じてきたことも大きいという。昨年、NHKで放送され、現在再放送されているアニメ『チ。-地球の運動について-』では、津田の魅力が存分に発揮されている。元傭兵で、キリスト教会に雇われている異端審問官・ノヴァク役で、狂気の殺戮者、娘を愛する父親、年老いて、衰えていく様など、人間のすべての機微を遺憾なく表現している。まさに、圧倒的演技力なのだ。


 津田は『あんぱん』で新聞社の編集局主任をどう演じるのか。


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