フジテレビでのCM放映を再開するスポンサー企業が相次ぐなか、2日18時30分から4時間半の生放送「2025 FNS歌謡祭 夏」には飲料大手のサントリーホールディングスがCM出稿を解禁する。元タレント中居正広氏(52)と元同局女性アナウンサーをめぐるトラブルからの騒動で、この春の放送を見送っていた大型番組の再開と相まって「局内は明るい雰囲気も見られています」と、関係者は言う。
6月25日の株主総会でフジ・メディア・ホールディングス(HD)の示した「改革アクションプラン」が承認され、清水賢治社長ら計11人の取締役での新体制をスタートさせた。そして、大和ハウス工業にロッテ、大東建託とCM再開を発表するスポンサーが続いているとあって、とりわけ上層部は胸を撫で下ろしているのかも知れない。だが、長くフジの現場を知る制作会社スタッフはこう言う。
「6月30日放送の番宣番組『夏の新ドラマ大集合 THE BET』で、月9ドラマ『明日はもっと、いい日になる』のキャストらと出演し、番組ゲーム対決したバラエティー『呼び出し先生タナカ』チームのカンニング竹山が“俺は『呼び出し先生タナカ』に出たことない”と暴露しましたよね。さらに今後も出る予定はないと。“スタッフから呼ばれて来たら、『呼び出し先生タナカ』に入ってくれと言われたんだ”と暴露していた。お笑いのシーンのような演出がなされてましたけど、決して笑い事ではないお粗末ぶりですよ。年がら年中、番宣を垂れ流す無節操ぶりといい、バラエティーはそのためのものじゃないかと思われるくらいの悪質さ、無神経ぶり。それを一部スポーツ紙に報じられ、視聴者からも絶句し呆れるコメントが続出していますが、当然でしょう」
6月下旬にはオンラインカジノでの常習的賭博で情報番組「ぽかぽか」などを担当していたバラエティ制作部企画担当部長の社員プロデューサー鈴木善貴容疑者(44)が逮捕、「ぽかぽか」レギュラーの山本賢太アナウンサー(27)が書類送検され、局内での蔓延も疑われている。性加害疑惑にセクハラの横行で問題になり、今度は賭博で大揺れの様相なのである。
■「再生」どころか「元の木阿弥」になる道のりも…
「今回のCM再開はスポンサーがフジの改革案を承認した部分もあるかも知れないが、スポンサーサイドにはフジだけ干していたところでデメリットしかないという事情があります」と、広告関係者はこう言う。
「株主総会で『ダルトン』の株主提案した社外取締役案をフジが退けたと、まるで勝利したかのような論調が目立ちますが、アクティビストをハゲタカのように見る風潮からして古すぎます。
現状を最悪と認識して出直すことができなければ、再生もない。フジは現在そんな分岐点にあるのかもしれない。
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