今月1日から3日にかけて「TOKYO IDOL FESTIVAL2025」(略称:TIF)がお台場・青海周辺エリアで開催された。


 同イベントは今年15周年を迎えた日本初の“アイドルに特化した大規模同時多発的音楽フェス”で、AKB、モーニング娘。

、ももクロ、KAWAII LAB.(カワラボ)ファミリーなどのアイドルが集結。3日間で8万5000人を動員した。


 出演グループも200組以上で出演者数も相当だが、お台場の各ステージにはそれを上回る“推し”熱の高いファンが集まっていた。


 客層は10~20代の若年層が中心で、カップル、女の子同士の参戦が目立つ。その昔、AKB48やモーニング娘。全盛だった2000年代は「オタク文化」の延長線上に”アイドル好き”がカテゴライズされていた。当時のアイドル好きといえば、友達が少なく単体行動の男性で、非モテのイメージが強かったがすっかり様変わりしている。


 同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。



「オタク」から「推し」へ変化

「6、7年前くらいから学生たちの発するワードが『オタク』から『推し』に変わり、推し活カルチャーの裾野が一気に広がったように感じています。さらに5年前のコロナ禍の行動制限される中で“推す”ことの楽しさを覚え、行動制限がようやく解除されたことで反動的に一気に盛り上がったと考えられます。女子大に通う学生たちを見ていると、自分にかけるお金はコスパ重視で、その分を“推し活”に移行し、推しに惜しみなくお金を使っているようです」(影山氏)


 なぜそこまで、同年代の女性までもがアイドルを“推す”のか。推し活が流行した裏側に「カワイイ」と「自己肯定感」というキーワードがあるという。


「アイドルは自己肯定感を具現化してくれる、ある種のアバター的要素があるのだと思います。成功していく姿に自己実現を重ね合わせ、日々の活力にしている。学生たちに自分が主役になりたくないのかと聞くと、矢面に立つことが怖いから、というような回答もありました。就職でも近年、マネジャー希望者が一定数おり、これも推し活の延長線上のようです」(影山氏)


 Netflixではサンリオアニメ「My Melody & Kuromi」が世界2位を記録。主題歌は星野源プロデュースの「Kawaii」でLE SSERAFIMが歌っている。カワイイは日本だけでなく世界制覇しつつある。


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