踏んだり蹴ったりだ。新執行部発足から間もない日本維新の会が現職代議士3人に三くだり半を突きつけられた。
離党するのは守島氏のほか、代表選で7票集めた斉木武志衆院議員(比例北陸信越)、阿部弘樹衆院議員(比例九州)。執行部に届け出後、3人で会見。「維新は保守政党に変わってしまった」「設立者の橋下(徹)さんに対する国会議員団の批判がひどく、耐えかねた」(守島)、「安易に連立与党入りせず、既成政党に不満を持つ民意の受け皿が必要」(斉木)、「維新の公約は有権者に響かない」(阿部)など、それぞれ動機を説明したのだが、集団離党には珍しく、理由はバラバラだ。
■内規に反し息子が公設秘書
「共通するのは藤田執行部への不満。元大阪市議の守島氏に2人が歩調を合わせたようです。石井事件に端を発した公設秘書の勤務実態調査も影響している。1親等の親族採用禁止を盛り込んだ国会議員秘書給与法改正案を2023年に提出して以降、内規で厳守を求めてきた」(維新関係者)
中司幹事長を中心に4日までアンケートやヒアリングを実施していた。記者から「調査が離党に影響したのか」と質問が上がると、斉木氏がすぐさま反応し、「秘書の身分うんぬんで離党という重い決断はしない。公設の方を私設にすれば内規があっても親族でも雇用できる、というのが実態ですので」と論点ずらし。
「デジタルの対応は20代の方が圧倒的に強い。いま(議員)会館はひとり事務所で彼しか置いていない。女性事務員も雇用していません。動画編集の専門技術もあるので、雇用したいと中司さんには申し上げた」
「戦力」「スキルの高い者」と強調し、「維新の会のユーチューブチャンネルよりビュー(再生回数)があると思う。そういうコンテンツを作れる才能を優先すべき」と言っていたが、会見のライブ中継はイマイチ。マイクは記者のタイピング音を拾いまくり、発言内容が不明瞭な上、途中から阿部がフレームアウトしていた。再生回数も勝っているとは言い難い。
語るに落ちる──維新らしい離反劇だ。
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